社員紹介
川端 健人
経営企画部
経営企画部
2005年入社・経営企画部
近畿大学農学部農学科昆虫学研究室・
滋賀県立大学大学院環境科学研究科環境動態学専攻
学部時代は昆虫学を専攻し、テントウムシを研究。大学院時代は故郷の琵琶湖に潜って外来魚の繁殖生態を研究。入社後は、防虫セミナーの講師・商品開発・営業サポート・技術資料や拡販資料の作成・防蟻 / 点検サービスの仕様書作成・工務店へのサービス提案・導入フォローなど、広範囲の仕事に携わっている。社内ではシロアリに一番詳しいため、現場にもよく同行し、難駆除現場などに立ち会うことも。また、営業として担当地域を持っていた時期もあり経験豊富。料理が趣味で、お酒好き。やんちゃ盛りの3児の父。
修士課程のときに「環境動態学」を専攻していました。それで、就職先を考え始めたときに、「環境」に関連した会社がいいなと思って探しました。大学の就職課で企業のリストから環境機器を発見し、さっそくホームページを見てみると、害虫駆除商品を扱っている会社だとわかりました。それだけなら、惹かれなかったかもしれませんが、当時のホームページに書かれてた「IPM」という言葉に目が留まったのです。
IPMというのは、「総合的に有害生物を管理する(Integrated Pest Management=IPM)」という意味で、農業の分野ではよく言われる概念です。農薬を大量に使う防除ではなく、昆虫の生態を利用したり、環境を変えたり、物理的な方法を取ったりなど、総合的に害を防いでいくことで、少ない農薬で環境にも優しい農業にしていこうという考え方です。農業分野のIPMについては授業で習っていましたが、都市害虫や衛生害虫の分野でも実践されていることは知らなかったので、面白そうだなと思いました。
当時の環境機器にはリクルート用のページはなかったので、直接メールをして「募集していませんか?」と聞きました。そのときに初めて、学部のときの研究室の先輩の菅野が働いていることを知りました。学部のときの専攻は昆虫学でしたから、環境機器とつながりは深いのです。私は大学院で大学を移ってからは琵琶湖に潜って外来魚の繁殖生態を調べていて、虫とは全然違う研究をしていたのですが、「環境」つながりで、再び虫に戻ってきたわけです。
最初は営業開発部でメールマガジンやニュースレターの立ち上げや、セミナーの運営、チラシなどの営業資料作りなどをしていましたが、1年目の年末にシロアリに詳しい人が退職することになり、「じゃあ、明日からシロアリ担当ね」と言われました。大学のときに扱っていた昆虫はテントウムシなので、シロアリはまったく未知の世界です。前任者が辞めた次の日から、シロアリの問い合わせは、容赦無く自分に振られました。引き継ぎ期間はあったものの、最初はわからないことだらけ。戸惑うことも多かったのですが、生き物なので共通点も多くあり、勉強しながら体当たりで何とかやっていくことができました。
商品開発も行いました。といっても、うちは商社なので専門メーカーの開発部に比べたら規模は小さいです。ただ、商社ならではの強みがあって、それは、取り扱うアイテムのバラエティに富んでいるところです。たとえば、薬剤メーカーなら薬剤、機械メーカーなら噴霧器というように、それぞれ専門のアイテムを開発しますが、環境機器は薬剤と機械の両方に携わることができます。薬や機械だけでなく、プログラムも作ります。商社は作る側と使う側の中間にいる立場です。両者とコミュニケーションを取りながら、本当に求められている商品を生み出していく面白さは、商社ならではですね。
部署を移ってからもシロアリの防除などには携わっていました。ただ、少し視点が変わりました。営業開発部にいたときはシロアリをどうやって駆除するかという、シロアリ自体に焦点をあてた仕事をしていましたが、今は経営企画部に移り、組合ビジネスや、住宅メンテナンスの観点からも防除を考えるようになりました。セミナーをする相手も、以前はシロアリ防除業者が中心でしたが、今は工務店や宅建業者が多いです。経営企画部は仕事を作っていく部署なので、営業開発部にいたときとは見ているものも変わりますし、段取りも違います。私は営業開発部にいた期間が長かったのですが、部署を移ることで新たなチャレンジをすることができています。
東日本大震災のときに、NGOの防疫専門家としてボランティアに行ったことです。私が担当したのは防疫の立ち上げです。現地に行って状況を調べ、各市町村の窓口に行って交渉したり、人を集めたり、仕様を作って施工を指揮したり。消毒作業だけでなく、その効果のモニタリングも行いました。
環境機器では「利他主義」という言葉を大切にしていますが、ボランティアに参加する前の私は、その言葉がしっくりきていませんでした。他人を助ける大切さについては、もちろんひとりの人間としてはわかります。しかし、企業活動と「利他」がどう相容れるのか、わからなかったのです。ボランティア活動の最中は、ただただ一生懸命にやっていて、そんなことを考える余裕もありません。頭にあったのは、自分たちの得意とすることで困っている人たちの役に立てるのなら、やらなくては、ということだけでした。
「利他」の力が見えてきたのは、そのあとです。いつの間にか、一緒にボランティアをした業者さんたちと深い信頼関係ができていました。環境機器を応援してくれる人たちも増えて、売り上げにもつながりました。誰一人、見返りを考えて行動したわけではありませんが、環境機器が利他主義で回っていくのはこういうことなのかと思いました。
私たちのお客様である害虫駆除業者は、きつい、汚い、危険の、いわゆる3Kのイメージがあるかもしれません。ですが、虫や動物の生態を探究するアカデミックな部分もありますし、人の役にも立って感謝もされます。アメリカでは害虫駆除業者は人々の日常生活の維持に欠かせない「エッセンシャルワーカー」として認められているくらいです。日本でも、もっと日の目を見てもいい仕事です。そんな業界をサポートする私たちの仕事は、やりがいがあるだけでなく、将来性もあります。
環境機器は、その人次第で何でもできる会社です。得意なことがきちんと評価されて、それを活かして働けるので、好奇心が強く、自分で考え積極的に行動に移せる人には面白いと思います。