社長ブログ

社長フィロソフィー日記

オリンピック選手への批判に思うこと。

パリ・オリンピックはよく観ていて、毎日熱くなって観戦している。激戦、名勝負ばかりで、パリまで行って観戦しなかったことを後悔しているほどだ。(ロスオリンピックは絶対行こう。)

で、最近強く違和感を感じるのは、オリンピック選手に対する批評(ならまだしも)、誹謗中傷の声である。試合に負けて大泣きした柔道選手をみっともない、武道の精神に反すると非難するのもどうかと思う。喫煙・飲酒で辞退を余儀なくされた体操選手に関しても、巷でもマスコミでも賛否が分かれる大騒ぎになった。バスケットでもハンドボールでも、強豪に惜しくも1点差で負けた試合があったが、それを「最後の最後で勝利に対する執念が足らない。」と「批評」するSNSの投稿もあった。

しかし、オリンピック選手は、出場し勝利するために尋常でない努力と才能を傾けてきた「超人」である。(もちろん僕も含めて)ただの凡人が軽々しく批評できる存在ではない、と僕は思っている。オリンピック選手は、日々尋常でなない鍛錬をして、厳しい日本代表選考会を経て本番の舞台に立っている。「本当に、一人一人が人生をかけて、全てをかけて頑張っている」様な超人に対して、クーラーが効かせてでビールでも飲みながら批評、批判するのは、自宅やプライベートの空間で呟く、仲間と酒の肴にするものであって、選手の目に付くSNSなどの場所や公共放送で物知り顔で言うべきではないと思う。

かつて京セラ創業者の稲盛和夫さんに対して、「あなたの様に仕事ばっかりして、何が楽しいのですか?もっと面白おかしく生きられたらどうですか?」と助言?をした経営者がいたそうだ。そこに居合わせた稲盛さんの盟友の塚本幸一(ワコール創業者)が、「稲盛くんが目指しているものはお前とは全く違う。大した経営をしていないお前がこの稲盛くんに何か助言する資格があるのか?」と激怒して叱ったそうだ。
世論と言うのは時に怖いものだと思う。(我々の様な)凡人が超人、天才、しかも前途ある若者を潰してしまう様なことがあってはならないと思う。努力してない人が努力している人を批判することは良くない。普通の努力しかしてない人が尋常でない努力をしてきた人を批判することも良くない。他人のことを批評し公然と批判する資格が自分にあるのか、まずは考えてみないといけないと思う。当社も、他社の批判をする前に、尋常でない努力を行わないといけないし、一方、頂ける意見には謙虚に耳を傾けつつも、根拠のない心無い批判には惑わされず、信ずる道をまっすぐ進んで行けたら良いと思っている。

最強のビジネスモデル

もともと発展途上国の発展に興味があって、留学して修士号を取ったほど興味があった(今もある)。考えてみれば、当社が関わる害虫駆除業界も、日本の、いや世界の中でもその重要性の割には非常に認知度の低い、恵まれない発展途上の業界だと言える。
当社の顧客はほぼ全て中小零細企業であって、様々な経営課題を抱えている。人材採用、社員の教育、顧客から求められる技術水準が年々向上していること、人事制度、さらには後継者の問題まで、多くの中小企業の持つであろう問題を全て抱えている。我々は自社の売り上げを上げようとする前に、顧客企業の経営課題をいかに解決するかということについて、特にこの二十年間考え、そして解決スキームを作り上げてきた。年間百回以上開催している無料の技術セミナーもその一環である。その結果として、売り上げは毎年少しずつではあるが、この間増え続けている。自社の利益をまず考えるのではなく、顧客企業の発展を考えると言う利他の形が、実は安定的な成長をもたらす最強のビジネスモデルだったわけだ。
最近では個別の経営課題の相談のみならず、後継者がいないので事業承継もお願いしたいと言う依頼が少しずつ出てきた。3年前に初めてそういった老舗企業の経営を引き受けて以来、昨年も一社、今年もさらに一社、事業承継を行うことになった。(因みに当社で直接引き受ける訳にもいかないので(諸般の事情)、私が個人で別会社を作って経営を引き受けている。)当社から会社を売ってくださいと言っているわけではもちろんなく、様々な経営相談に乗っているうちに、最後は先方から頼み込まれる依頼を断りきれなくてということが実情である。損得よりも情を優先した決断であるが、それでも良いかと割り切って考えている。
「この様に」というか、当社には中期経営計画というものがない。いつの時点においても昨日より今日、今日より明日と少しでも進歩成長することを考えて、日々全力を尽くしている。そして重要な判断は、損得よりも善悪、「私心なかりしか、動機善なりや」の精神で行っている。言ってみれば一年先のこともわからない。どういう形態の会社になっているかもわからない。しかし当社に望まれているような役割は、損得を超えて喜んで引き受けようと思う。国内外で当社が活躍できる、社会の役に立てる事はまだまだあるはずである。という事は、当社の発展もまだまだこれからということだと思う。
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