社長ブログ

社長フィロソフィー日記

市場での戦い

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高校の同級生の後援会長をやっている(誰もやらないのでやらされている)関係で政治の世界の集まりに参加することがあるが、政治とビジネスとは本当に世界が違うなといつも思う。
政治はほとんど「戦い」の世界だ。選挙に勝つか負けるかは最も重要な関心ごとで(落ちてしまえばただの人(以下?))、選挙戦の始めには「出陣式」が行われる。選挙「戦」では相手を批判し自党の正当性を訴え、有権者の支持を「勝ち」とる競争である。議会での議論は「論戦」だし、党勢を伸ばし議席を増やす「戦争」に明け暮れるのが政治の世界の様だ。もちろんその戦いは「世の中を良くするため」であるはずだけど、時に「勝った負けた」、「何票集めた」ばかりが関心事になってしまう。
ビジネスの世界は異なる。まず自社が社会に貢献する土俵を選ぶことができる。競争の激しい分野もあればオンリーワンに近いライバルの少ないニッチを選ぶことも出来る。競合を意識することはあっても、競合を批判、批難することによって顧客の支持を得ることは出来ないから、結局市場ニーズに合わないと事業を継続することができない。また(数年ごとの選挙の時など)一時的に社会の関心を集めるだけでは不十分で、ビジネスの場合は社会貢献に繋がる事業を展開しないと長期的な成長は望めないし社員も付いてこない。従って、ビジネスの世界は競争の様に見えて実は競争ではなく、自社の努力で如何に顧客のニーズを満たせるか、社会にとって必要な存在になれるかという自己研鑽(=自分との戦い)になる。本質的に必要のない企業は淘汰されるし、ひたすら謙虚に良いサービス、良い製品を提供し続けなければならないという宿命である。
当社はビジネスという土俵の真ん中で、謙虚にして驕らず、勝負ごとに拘り過ぎず、本質的に社会に必要とされるものを、短期的な情勢に惑わされずに提供していきたいと思う。一方、政治も大切だから、自分自身は出来るだけの後方支援はしていきたいと思います(で、当選した人も社会の為に頑張ってください)。

弁証法的思考法

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ビジネスには弁証法的な思考法が役に立つ。僕は一瞬にして解決策を考えるとたまに言われるけれど、それはこの種の思考法があるからだと思う。
弁証法とは教科書的に難しくいうと、「ある命題(テーゼ=正)と、それと矛盾する、もしくはそれを否定する反対の命題(アンチテーゼ=反対命題)、そして、それらを本質的に統合した命題(ジンテーゼ=合)の3つである。二つがアウフヘーベン(止揚)される。」ということらしい。「正・反・合、止揚」というキーワードは受験の時に習ったと思う。もっと簡単に言うと、
(1)ひとつの意見がある、
(2)その反対意見が出て、対立する、
(3)対立する意見を統合して、第三の、しかもより優れた意見になる、
ということだ。
大事なのは、意見と反対意見を集約して中庸的な意見になるのではなく、それらの矛盾する意見を高いレベルで統合して、かつ、1+1=2ではなくて1+1=3以上にするということである。

少しふざけた事例だが、
(1)お好み焼きが食べたい、
(2)焼きそばも捨て難い、
(3)そうだ、モダン焼きにしよう。しかもモダン焼きはお好み焼きとも焼きそばとも違う、ワンランク上の美味しさがある、
ということを昔、予備校の先生に教えてもらった(のを今でも覚えている)。
弁証法的思考方法をいつでも実践していると、自社の立場、顧客や他の相手の立場、社会ニーズなど異なった観点を同時に思い浮かべ、一つ上の次元で全てを統合する第三の解決策を考え出す。商品を販売する時はこちらはなるべく高く売りたい、相手はなるべく安く買いたいと思う。これでは単に利害が対立しているだけでどちらかが得すれば反対側は損をするという関係だ。
これを、顧客もそれを使えば全体のコストダウンが計れたり売上が増え、かつ社会ニーズにも合った製品やサービスを開発すれば、少々高くなっても顧客には導入メリットが出てくる。しかもゼロサムゲーム(損得の合計はゼロ)でなくて、当社も利益が増える、顧客も利益が増える。両者の利益合計がプラスになり、かつ社会にも役立つという事実が重要だ。
当社はあくまでアウフヘーベンを目指す。損得でなくて当社も顧客も社会も満足するような解決策を提案したい。まあモダン焼きが好きなだけかもしれないけれど。
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