社長ブログ

社長フィロソフィー日記

新聞に冷や冷やしない

カテゴリー: 経営日記

当社は業務用防虫資材販売というかなりニッチな市場で活動していて、この市場では自社のことながら結構頑張っていると思う。 当然世の中の動きにはどんな経済活動も影響を受けるとは思うけど、当社はまだまだ小規模で、マクロ経済の影響など日々の努力の効果からすると余り関係ないように思う。世の中は常に変わっているから、自社も常に環境に適応しかつその変化をチャンスとして事業展開していけば良い(だけの)ことである。 それでも企業経営者として毎日情報収集し新聞なども丹念に読むのだけど、新聞を広げるときネット閲覧する時など、何か面白そうな話はないかなといつも思っている。あの企業がこういう戦略でこういう成績だった、国の方針がこう変わっていくらしい、民主党もダラシないなあなんか思うのだけど、新聞記事に一喜一憂することはない。 これが大企業だと、長年かけて開発した製品や事業がライバル企業によって先を越されたり、政策変更で努力が無駄になったり逆にチャンスになったりする。要するにメインストリームを歩いていて、一般消費者の動向、すなわちマクロ経済に影響されざる得ないほど規模が大きいということである。人口が減るときに車は売れていかないだろうし、子どもが減れば子供市場は競争が激しくなる。そして同じ業界に競合も多く、魅力的な市場であれば大手が新規参入してくる。 だからこういう企業は新聞を広げるとき冷や冷やしているのだろう。面白そうな記事も楽しみだが、一方で自社の運命を左右する大きな出来事が起こっているかも知れない。 当社の戦略は、ニッチ市場を極めかつメインストリーム市場はニッチ的な攻め方をすることだ。中小企業は中小企業なりの戦略があるから、それは間違っても大企業と対抗、競合するものであってはならない。 新聞くらい朝からゆっくりと安心して読みたい。「冷や冷やしない新聞」ってのが中小企業戦略と思うのだが、どうだろうか。

両目で皿を見て食事できる贅沢

カテゴリー: 経営日記

先日USTREAMで公開されていたソフトバンクの孫社長の講演を半分くらい観た.ダウンロードしてあるので,また何度かゆっくりと観たいと思っている. 毀誉褒貶はあるとは思うが,そのスケールの大きさは誰も否定できないだろう.藁しべ長者ではないけれど,人生において5度位,それまで持てるものを総て賭けて人生の勝負に出ている(そして総て勝っている). 一度目の勝負は16歳で渡米した時.高校の一学期を終えて司馬遼太郎の書いた「竜馬が行く」を読み,高校を退学してほぼ無一文で渡米している.先生がどうしてもなら休学して行けと言われたのに何故退学したかというと,「退路を絶たないと自分の様な弱い人間は帰ってきてしまうから」だそうだ. アメリカで猛勉強して大学に進み,一日5分の発明タイムを使って最初は1年で1000万円儲けようと思ったらしい.学生が一日5分で一千万,人からは当然クレイジーだと笑われたそうだが,実際は一年間で250の発明を考え,その中から一件はシャープに売却したパソコンの走りの様な機器,もう一件はゲームソフトで3億数1千万を手にした. それから日本に帰ってきて会社を作り,資本金全額をつぎ込んで名乗りを上げるためだけに展示会に出展した.社員はアルバイト2名の時である.そこで大手家電量販店の目に留まり,1年後には30億円の売り上げになった. それからまた持てる資金全部と借金でアメリカのコンピューター見本市を開催する会社を買収したり,コンピューター関係の会社を買収したり,その時にかき集められるだけの金額総て,実力以上の買収を何度も行っている.極めつけはボーダフォンの買収で,ソフトバンクの時価総額を遥かに上回る2兆円で,ほぼ全額借金で手にしたことである. ラスベガスのカジノで,持てるだけを総て一つの目に賭ける様なことを連続で行って総て当てたような話だが,彼曰く,「志は一度も変えていない」と言うことだ. 講演の最初の方でアメリカ留学時代の話が出た.誰にも負けない努力をしましたという話だが,講義は最前列の真ん中で食い入るように見つめ,片時も教科書を話さなかったという.食事の時も左手に本,右手にフォークを握って,両目は本を見つめている.右目の端に映る皿にフォークを突き立て,何か刺さったものを口に入れる.そのときのことを彼は,「両目で皿を見て食事できるような贅沢は僕にはありませんでした」と述懐している. なんとも凄い話だけど,稲盛さんにしても「事を成す」人は誰でも同じような努力をしているものだ.時間は同じ24時間,体力も2倍もある訳でない,とするとその誰でも同じ所与の条件で普通の人の数千倍の結果を残そうとすれば,自ずと最低でも「誰にも負けない努力」が必要になるのだ. 彼はまたこうも言っていた.「登る山を決めれば,目的の半分は達成されている.」 何を目指すか,どういう志を持つか,これが人生で一番大切なことだ. 当社もそろそろ勝負の時に来ている.志を大切にし,どうせやるなら「誰にも負けない努力」をして社会のためになりたい.また毎日,新鮮な気持ちで頑張ることにしよう.

PAGE TOP