社長ブログ

社長フィロソフィー日記

脳に騙される

カテゴリー: 経営日記

那覇マラソンではいつものように,GPS時計(心拍計付)でデータを取っているので,後から振り返ると面白い結果が出る.

主観的な印象は昨日書いたが,客観的データはまた違った側面が読み取れる.終盤になってボロボロになって両足が攣ってどうしようもなかったのだが,実際には「止まった回数は12回,最後の4キロは時速8キロキロ7分半歩いたのは300メートル」だった.そして目標タイムとのギャップは15分程度で,主観としての「何度も止まり,歩き,そして最後の1,2キロは何十分もかけて歩いた」ということとは少し違っている.

要するに主観では,どうしようもなく疲れて最後の一キロで棄権しようかと思ったくらいだった訳だが,客観データによると案外粘ってたことが分かる.これも実は「脳の防御反応」の仕業で,(たぶん身体を守るために)実際以上にアラームを出しているのだと思う.

5キロ走ると4キロでしんどくなり,10キロ走ろうと思うと必ず8キロ地点で,ハーフだと18キロ近辺,そしてフルだと35キロが「実際以上のアラーム」が出るタイミングだ.実際フルマラソンではハーフを過ぎたくらいでは全然大丈夫(ペースもハーフのタイムと変わらない)なのだ.

こうやって「脳に騙される」ことはよくある.確か水泳の北島のコーチがこれに触れていて,「100メートルを如何に脳に騙されずに最後まで気を抜かないか」 ということを言っていた.

企業活動でも,経常利益が1,2%の会社が不況になってもコストダウンを図ってやはりぎりぎりの黒字確保,でも景気が良くなっても同じ数%に留まることがある.これも「脳に騙されている」のか,景気が良い時に不況期の頑張りが出来ればもっと良い数字が出るという例である.

マラソンの経験を生かして,脳に騙されず,自分で心理的な限界を決めてしまわずに頑張ろうと思います. 

事業の目的・意義を明確にする

カテゴリー: 経営日記

今さらだけど,京セラ経営十二箇条の重要性を感じている.

第一条に,「事業の目的・意義を明確にする」というのがある.経営学的に言えば「事業領域を定義する」ということだが,実はもっと深い意味があることに気がついた.

そう,すべての課題・問題は,この「事業目的の設定の仕方」に帰することが出来ると思う.稲盛さんは以前,他の経営者からこう言われたらしい.

「稲盛さんみたいになんでも四角四面に考えて,いつも寝る間も惜しんで一心不乱に努力して,何が人生楽しいんですか.私みたいにいい加減な社長でも,社員が居心地良く働いてくれて会社は回っている.もっとリラックスして仕事されたらどうですか.」

稲盛さんは答えたそうだ.「あなたと私では登ろうと思っている山が違うんです.どちらが良いかは分かりませんが,私が登ろうとする山は大変高くて,垂直登攀しないと登っていけないんです.」

結構強烈な答えだが,真理を突いていると思う.結局,そこそこの会社でそこそこやっていこうとすればもしかしたら課題も問題も少なく,能力と多少の真面目さがあればやっていけるのかもしれない.多少儲けたお金で経営者はリラックスして遊びにも行けるかも知れないし,地元の会合ではちょっとした名士にもなれるのかも知れない.

でも高い目標を掲げるとそうはいかない.従業員も10人から30人,50人,そして100人200人,1000人と増えていくと,組織運営も大変だ.売上も数億円から数百億円,数千億円にしたいのであれば,勿論家族経営の時とは全然異なったものになる.

当社も(そして自分自身も),この10年間で業態を変え,売上を2倍以上に伸ばし,社員も育ってきたと思う.でも額にすればとっても「たかが知れてる」状況なのだ.業界内では井の中の蛙状態で,いろんな人に褒められたり妬まれたりもしているようだが,世の中的に考えたら,ほんとに「井の中」状態である.ちょっと情けない.

これもそれもすべては,「目標設定が低すぎる」からである.登る山が業界内の小山であればこれでも良いかもしれない.そして多分他人に喜ばれる経営が出来ると思う.でも本当に持てる力を,より多くの世の中の人のために使うのなら,今のままでは余りに「井の中」 にこもり過ぎていると思う.

で,新しい目標を真剣に検討してみた.やはり漠然と思っていたが,具体的に日時を決めて上場するしかないと思う.勿論今のビジネスモデルでは全然駄目だから,一から操業するつもりで(隣接)事業を立ちあげていかねばならない.短期的な目標はもういい.具体的に何年か後に成長企業として注目されて上場準備に入れる様に,新しいビジネスモデルに取り組んでいきたいと思う. 

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