社長ブログ

社長フィロソフィー日記

リスクとは何か

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会社経営をしていると「リスク」について考えることが多いのだけど、一番大事なことは「自社(自分)が直面しているリスクとは何か」について深く考えることだと思う。 この商品開発においては、投資する金額に比べて期待している利益が上がらないことがリスクである。10個開発プロジェクトをやって半分が成功しないとすると、成功する新商品の利益率は失敗するものをカバーして余りあるものでなければならない、とかいう計算になる。 こういう目の前で起こっている事象のリスクは簡単に捉えることが出来る。でも不思議で面白いのは、人間は「小さなリスク」は気になるけれど「根本的なリスク」には気付きにくいと言う点だ。 金融商品でも「リスクが高いから外国株式には投資しない」という考えもあるけれど、では日本円を日本の銀行に100%預けていることのリスクもあることには気付かない。円の値段(=為替レート)は日々変動していてかつ日本の経済の先行きを考えると(国の財政破綻で超インフレになるかも知れない)、世界的に見ると「とてもリスキーな投資」とも考えられるのだ。 目の前の募金箱に100円入れる時、募金を受け取っている人が他の目的に使ってしまうリスクは気になるが、沢山払っている税金を国が無駄な公共投資に使われるリスクはそれほど気にならない。環境悪化リスクが気になってコピーの裏は活用するが、そもそも事務所の入っているビルが新築されたり壊されて出る廃棄物が環境に与えるリスクには気付かない。 僕が個人的に考えているのは「人生リスク」である。この一回しか無い人生を振り返った時に後悔するリスクである。あれに挑戦すれば良かった、こういう人生だったら良かったとは死ぬ時に死んでも?思いたくない。思えば銀行を辞めた時も、「海外に出たいと言いながらその前提条件となる留学に行けないかも知れない、なら無職、図書館通いでも良いから今すぐ辞めるべき」とか若気の至りで辞表を先に出したものだ(結局は後から申込んだ奨学金制度に受かって、タイムラグなしに留学出来たのだけど)。これも「人生リスク」を考えた上での判断だった。 会社経営もリスクがあるが、他の人が経営している会社で働いていてその会社が倒産してしまうリスクの方が僕には怖い。それに会社経営は自分の意志でリスクを負って何でも判断出来るけど、たまたま配属された部署の上司がどうしようもないというリスクは、自分ではコントロールできないから始末が悪い。 今の経営でも、(悪い意味で)「地方の中小企業の親父」で終るリスクを一番恐れている。自社のことしか考えずしかもその自社は自分の生活や見栄のためにあると信じている井の中の蛙にはなりたくない。小さくても社会的に意味のある、社員にもこの会社で良かったと思える企業にしたい。それが出来ないことが僕の経営上の最大の「リスク」である。 やはり大事なことは、根本的なリスクに目を瞑らずにしっかりと考えるということか。どうせ人生の終りには、直面しないといけないことだろうしそれなら元気な内に、早い内に意識して行動することが重要だと思う。

売上目標

カテゴリー: 経営日記

当社に売上目標があるかと聞かれると、返答は微妙だ。もちろん営業担当者の設定目標値はあるのだが(正確には売上目標ではなくて粗利額目標)、それが「目標」かと言われるとそうでもない。 経営方針を建て方法論にしっかりと落とし込まれていれば、後は各担当者が自分たちの責務を能力を発揮すれば、予定された数値は達成出来るはず。だとすれば数値目標は「目標」というよりは「仮説の当然の結果」ということである。もしそうならなかったら、それは各担当者の目標達成の努力が足らなかったと言うよりも仮説が間違ってた=経営戦略が間違っていた、つまり経営者が悪いってことである。 だから数字が達成出来なかった担当者を責めたりするのは無意味だ、というより天に唾しているようなものだとも思っている。悪いのは担当者と言うより、担当者をそのように動かした仮説、つまりその仮説を設定した経営者が悪いのだから。 とは言っても、仮説を建てるのは何も経営者だけではない。担当者がその仮説を信じて異議を唱えず一年間検証してみて、それで結果がでなければ仮説の間違いの共犯である。 という訳でやはり担当者は設定した数値の責任を取らないといけないと言うことだ。結果にではなく、仮説を(共に)信じて実行した責任を、である。それが嫌ならやはり達成のため頑張れってことか。

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