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社長フィロソフィー日記

問題設定能力

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先日当社の顧問と打ち合わせをしていて、問題設定が一番大切という話になった。 仕事とは直接関係ないのだけど、四国の過疎地域の振興を産官学でやってみようという試みを手伝うことになっている。でも最初の趣旨書を見ていたら、「過疎化が問題で、何とかして人に来て貰いまた企業誘致をしたい」という内容であった。 僕が思ったのはこれは「問題設定が間違っている」ということだ。確かに過疎化は問題だけど、それは結果的に生じた現象であって、根本的な原因は「その地域では人や企業が前向きに成長できる環境が整っていない」ことである。そこに留まっていても将来が描けないから、チャンスが有れば東京や大阪などの都会に出ていってしまう。企業だって需要も少なく特にそこに投資する理由がなければやってこない。 だから問題設定は、他人がその地域にやってくることを期待するのではなく、そこに今住んでいる人、まだ出て入っていない若い人達に取ってそこに留まることで将来が有利になるようなインフラを作るべきだ。それは教育制度かも知れないし豊かな住環境かも知れない、企業にとっては研究機関が集積していることかも知れないし最低賃金が低いことかも知れないし、税法上の特典かも知れない。もっと言うなら、日本という国が今抱えている問題を解決するに当たって、東京や大阪にはない別のアプローチを提供出来ること、これが地域振興の要件だろう。 問題を設定することが一番重要で、かつ難しい。普通の人は具体的な問題さえ与えられたら 、真面目に取り組んで解決することが出来る。でもその問題設定が合ってなければ、そもそも見当違いの方向に進んでいることになる。売上が下がっていることに対して、どうすれば営業活動をもっと頑張れるのかを考えるのは問題設定が間違っている。正しいであろう問題設定は「どうして当社からではなく競合他社から買うのか」、「どうして魅力ある商品を提案出来ないのか」、「どうしてもっと顧客のことを知らないのか」という様なことだと思う。 では「どうすれば正しく問題設定が出来るのか」だが、これはまたの機会にしよう。「正しく問題を設定し、正しい方向に進むこと」は経営の根本だと思うから、よくよく考えてみたい。

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