社長ブログ

社長フィロソフィー日記

少しの差

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最近はよく近くの山の中を走っているのだけど、いつも思うことがある。 僕の家は川に近くて、川岸が心地よい遊歩道になっていて多くの人が散歩している。バーベキューが出来るところもあるから、休日はシーズンを問わずいつも人で一杯だ。またウォーキングしている人たちも沢山集まってくる。 その川沿いを1キロほど上流に遡ると、山の中に入っていく。坂道を少し上がると公園がある。ここも桜で有名だから、桜のシーズンはまた沢山の人で賑わっている。でも春以外はそれほど混まない。 更に200メートルほど山を上り、川沿いの道を奥に進んでいくとめっきり人が少なくなる。この地域は景観が美しく、渓流に岩がゴロゴロしている場所だ。でも上で述べたバーベキューで混み合う川岸からも1キロ位しか離れていない。走って10分、歩いても20分ほどだ。 僕はいつも更に奥に入って山道を走る。そうするともう殆ど人はいない。たった家から3キロも走れば、一番込み合うはずの夏でも殆ど無人になる。でも山道もよく整備されていて、途中にウッドデッキやベンチなどが有り夏でも冬でもとても心地よいハイキングコースである。 要するに殆どの人は集中していて、混んでいる範囲は限られている。少し先に進めば急に人は少なくなり、もっと奥には入れば殆ど誰もいない。それでいて一番奥と言っても一番混んでいるところから大して遠くはないのだ。 そういえばハワイもそうだ。ワイキキのメインストリート、DFSがある辺りは日本人で一杯でここは日本の観光地かと思うくらいである。でも車で5分も行けば、全くと言って良いほど日本人は見かけない。観光スポットでもなければ(当然?)1キロ離れれば殆ど日本人はいない。 逆に言うと、他人より少し多く苦労すれば、いや苦労すらしなくても少し先に行くだけで競争の少ない場所に行けるということだ。「少しの差が大違いを生む」ということである。同じ土俵で同じことをすれば、どんな分野でも混雑に巻き込まれ過当競争に直面する。でも少し他人より「奥」まで入って行けば美しい景観を独占出来る可能性があるってことだ。 これも(言わずもがなだけど)企業経営と同じである。少し苦労してでも、混んでいるところから抜け出して、「見える景色が違う場所」で勝負したいと思う。うーん、走っていてもこんなことを考えている、これって気分転換してるんでしょうかね?

問題設定能力

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先日当社の顧問と打ち合わせをしていて、問題設定が一番大切という話になった。 仕事とは直接関係ないのだけど、四国の過疎地域の振興を産官学でやってみようという試みを手伝うことになっている。でも最初の趣旨書を見ていたら、「過疎化が問題で、何とかして人に来て貰いまた企業誘致をしたい」という内容であった。 僕が思ったのはこれは「問題設定が間違っている」ということだ。確かに過疎化は問題だけど、それは結果的に生じた現象であって、根本的な原因は「その地域では人や企業が前向きに成長できる環境が整っていない」ことである。そこに留まっていても将来が描けないから、チャンスが有れば東京や大阪などの都会に出ていってしまう。企業だって需要も少なく特にそこに投資する理由がなければやってこない。 だから問題設定は、他人がその地域にやってくることを期待するのではなく、そこに今住んでいる人、まだ出て入っていない若い人達に取ってそこに留まることで将来が有利になるようなインフラを作るべきだ。それは教育制度かも知れないし豊かな住環境かも知れない、企業にとっては研究機関が集積していることかも知れないし最低賃金が低いことかも知れないし、税法上の特典かも知れない。もっと言うなら、日本という国が今抱えている問題を解決するに当たって、東京や大阪にはない別のアプローチを提供出来ること、これが地域振興の要件だろう。 問題を設定することが一番重要で、かつ難しい。普通の人は具体的な問題さえ与えられたら 、真面目に取り組んで解決することが出来る。でもその問題設定が合ってなければ、そもそも見当違いの方向に進んでいることになる。売上が下がっていることに対して、どうすれば営業活動をもっと頑張れるのかを考えるのは問題設定が間違っている。正しいであろう問題設定は「どうして当社からではなく競合他社から買うのか」、「どうして魅力ある商品を提案出来ないのか」、「どうしてもっと顧客のことを知らないのか」という様なことだと思う。 では「どうすれば正しく問題設定が出来るのか」だが、これはまたの機会にしよう。「正しく問題を設定し、正しい方向に進むこと」は経営の根本だと思うから、よくよく考えてみたい。

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