社長の答えは決まっている
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昨日たまたまワールドビジネスサテライトを観ていたら、中小企業の事業承継の話題が特集されていた。何十年も続いた会社の跡取りとして女三姉妹の三女が選ばれたのだが、社長就任早々の会議で社員に鋭く突っ込まれてたじたじしているシーンが映っていた。 それを観ていて僕はなんだか違うよなと感じたのだが、そもそも社員が社長に質問して答えを期待するってのが間違っている。番組の中で幹部らしき人が「その新規開発商品は類似品が結構あるんですよね」と評論家的なコメントをしていたけれど、本来なら、「類似する点があると思いますが、その点調査したところ特許は問題ありません。で、その商品はこの点は確かに新規性はないけれど、他のこの点を強調するようにコンセプトを変えれば十分通用すると思います」位は言って欲しい。 他にも「その価格設定は送料を含むのですか」という質問もあった。そんなの僕なら「どちらでも良いけれど、売上最大化、経費最小化を達成するにはあなたはどう考えどうすればベストと思いますか?」と返すだけである。 そもそも「社長が一番能力があるべきで、質問すればなんでも正しい答えを持っていて当然で、社員はその指示に従っていれば良い」という考えが間違っている。現場の最前線の自分達が分からないことを社長が正しく答えを分かっているはずはないのだ。 社員の質問に対する社長の答えはいつも決まっている。「(1)どういう事実があって、(2)それに対してどの様に考えるべきで、(3)あなた自身はどう思うのですか?(4)そのあなたがよく考えて出した答えを実現するために、社長である私は何をすれば良いですか?」である。 まあこう言うと如何にも手を抜いている社長に思われるかもしれないけれど、実際こう考えて僕は仕事をしています。