社長ブログ

社長フィロソフィー日記

親は子供の邪魔をしてはいけない。

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今日は高校水泳部OB会の役員会があって、幹事長の僕も当然参加してきた。会が終わってからコーヒーを飲みながら後輩の監督やその他の若手と話していたのだが、今の子供たちが頑張らない理由が分かる様な気がした。

高校のクラブに入部する、特に厳しくて全国大会なんかに出るチームに参加できることはとても得難い環境だ。自分の実力以上のことを強制的にやらされ、知らず知らずのうちに力がついてくる。自分の狭い世界が外から打ち破られ、自分の小さな常識が音を立てて崩され、でもなんとか生き残っていく内に強靭な身体と精神が得られる様になる。

僕の母校は進学校だから、そうやって限界を超える練習や試合を重ねても、一方で卒業後は一転勉強していい大学に入ったり、中には3年の受験直前まで部活をしながらもそのまま現役で受かってしまう様な奴だっている。周りにそういう先輩や同級生がいると、「それが普通」と思ってしまって、自分も出来る様な気になって実際そうなることも多い。

要するに、どんな厳しいことだってどんな高いレベルに置かれても、「それが普通」と思えれば意外と、特に若い頃はなんだって出来てしまうものだと思う。

そこで邪魔するのが実は親だったりする。自分の子供が体力の限界を超えて参ってしまっていたり、故障したり、また勉強の成績が落ちたりしたら、「何々ちゃん、そんなに頑張ったんだからもう十分だよ」と悪魔のささやきをしてしまう。そうすると子供は、「そうか、私は頑張ったんだ。120%やっているんだからこれくらいでも仕方ない、もう十分」と心理的な限界を自分で設定してしまう。で、そこから先は伸びない。

人間は自分で100%と思っている80%しか実際には出来ない。10キロ走ろうと思えば8キロでもの凄くしんどくなって、10キロ走る頃にはヘロヘロになる。20キロ走ろうと思えば10キロ楽勝、でまた18キロでしんどくなる。フルマラソンなら20キロは楽勝、35キロで限界を感じる。いずれも自分で設定したゴールの8掛けでしんどくなるという脳に騙されている現象である。

親が子供は十分頑張っていると思って言ってしまった場合、子供はそこから先は成長しない。 それは実は「邪魔」であって、親心が小善をなすことが子供にとっては大悪である。

これは会社経営でも同じである。社員のことを思って甘くする、それ位でいいよと言うことが、その社員の成長を阻んでしまう。上司の責任は、小善に陥ることなく嫌われてもその人のことを本当に思って、理不尽な要求、過度のタスク、そしてその人の小さな常識、狭い世界観をぶっ壊すことが最も大事だ。「あの人、無茶なことを言う」 と言われるのが名誉であって、それでも従ってくれる人間の魅力もまた大事な要素となる。

今日も話しながら、自分でも勉強になった。水球部を見て自分の会社の振りを直す、 結局組織は同じなんだなと思った次第です。

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