社長ブログ

社長フィロソフィー日記

必要な人材

カテゴリー: カテゴリ未分類

僕が副理事長を務めている関係で当社が関わっている東北被災地支援だが、最も現場で不足しているのは、現場のニーズを見つけ、それを具体的なプロジェクトに仕立て上げることが出来る人材である。

瓦礫がまだ全然片付いていない。どうして片付けていないのか理由を考え、NGOとして民間として何をどうするべきかを考えだせる人間である。まだ行方不明の人が沢山いる状況で瓦礫をブルドーザーで一挙に片付けることは出来ない。だから捜索が先になる、しかし実際に津波に被害を受け瓦礫が流れ込んだ個人宅を片付けることは、手が回らない行政を補って外からの手伝いは有用だ、その手伝いのために必要な労働力を集める仕組みを考え、経費の捻出を考え、労働力を運ぶ手段、宿泊場所のアレンジ、食事はどうするかなどを考える人材が必要だ。

段々と暑くなってくる。そうすると海水が水浸しになり、魚加工工場から流れ出て散乱した水産物が腐敗してくる。悪臭は漂い、ハエが発生することが十分予想される。この被害を事前に調査し、対策を講じ、実際に消毒作業などが実施されなければならない。どの場所をどの薬剤を使用しどこから専門家を雇用し、具体的なプロジェクトを立ち上げる必要がある。こういうプロセスを考えだす人材が必要だ。

被害地以外からボランティアに役立ちたい人間が沢山いる。でも具体的にどこに行ったら良いか分からない。どうやって行けば良いのか、安全なのか、どんな仕事をすれば良いのか、一般の人は意欲はあるけれどどうしたら良いか分からない。こういう場合は現地のニーズを掴み、どこにどんな人が何人必要なのかを把握して愛する人間が必要だ。人材派遣の様に人材を募集し、スキルを登録し、必要な場所に必要な人を送り込む機能を持つ人間が必要だ。

今でも余震が多い。津波や地震で傷んだ家が本当に安全なのか、専門家が確かめる必要がある。行政の手は回っていない。事実上住民は被害にあった自宅に戻り、掃除をし、生活を再開する人たちも多くいる。こんな時に余震が起こったら本当に大丈夫なのか、またボランティアが手伝いに行っても安全なのか、これは緊急に確認する必要があるのだけど、全然手が回っていない。 

一旦こんな風にプロジェクトが立ち上がれば、次の段階では専門家、プロジェクト責任者が実務的にこなすことが出来る。責任者がいれば、実務をこなす人材も沢山いる。

つまり必要な人材は、(1)プロジェクトを立ち上げる人、(2)立ち上がったあプロジェクトを推進するための現場責任者、(3)実際に実務、労働力を提供する人材などである。

(1)はその道の専門NGOたちがいるが十分ではない。優秀な想像力とエネルギーに溢れる人たちがまだまだ足りない。(2)は実は企業が派遣出来るレベルの人材だ。自社の専門性に合わせて、ミドルクラスの人材をボランティアは験するべきだと思う。そして(3)の人材も実行という意味では重要である。必ずしもスキルがなくても若さとバイタリティーで頑張れる人たちが必要である。

前回も書いたが、当社も常に一人以上の社員を連続して派遣する。既に現在二人の社員が被災地に行っている。そして入れ替わりで一人、二人の社員が取り敢えず1、2ヶ月の単位で行く計画である。

この社員派遣から得られるものは大きい。上記の(1)(2)の経験が出来れば今後の事業展開にも必ず活かせる経験になるし、目の前の困った人たちに対して自分は一体何が出来るのかをゼロベースで必死で考える経験は、与えられた仕事をこなすだけでは生き残っていない厳しいビジネス環境の中でも必ず活きてくる。

被災地に役に立ちたい、社員を鍛えたいと考えている企業経営者の皆さん、またこういう得難い経験をしたいと思っている優秀なビジネスマンの方、是非協力してください。連絡待っています。 

PAGE TOP