社長ブログ

社長フィロソフィー日記

東北支援の進捗

カテゴリー: カテゴリ未分類

昨日まで三回目の東北支援出張に行ってきた。案件が効率よく形成出来、被災地の人々のために少しでも役立てると思う。僕が副理事長を務めるNICCOでは今、以下の様なプロジェクトをやっている。

炊き出しプロジェクト。これは当社の田之江くんが炊き出しマネージャーとして、気仙沼市民会館で230人分、気仙沼小学校で150人分、大島で100人分くらいの食事を毎日二食、おかずを提供している。これらの地域では2週間程前まで自衛隊に依るご飯とみそ汁位しか配給がなくて、困っていた地域である。田之江くんが厨房機器から揃え、食材調達ルート、現地採用の被災した調理人たちを束ねて、普段の業務とは全く異なる仕事をやってくれている。

防疫プロジェクト。これは被災した水産加工工場から流れ出した魚が腐敗して、瓦礫に混じって大変な状況になっている。ウジが涌き、成虫のハエになるのは時間の問題である。ハエは感染症の媒介となり、被災地に二次被害をもたらす。この状況を解決するために、日本ペストコントロール協会と協力して、当社の技術コンサルタントたちが奮闘している。菅野くん、川端くん、石川くんが交代で現地に入り、調査と実際の消毒作業の立ち上げ、指揮に当たっている。当会では被災した東北地域全域でこのプロジェクトを推進していく計画である。

建築士派遣。これは被災した住宅の安全性を確認するプロジェクトである。 ボランティアが住宅清掃、泥出しなどをしているが、実際問題その住宅が安全なのかが分からない。応急危険度判定は地震被害に対する制度であって津波に依るものではないから、事実として津波被害にあって一階部分が流されたり、半壊状態になった家の安全性は誰も確認していない。どうして津波地域において応急危険度判定がなされていないのか理屈が分からず驚きなのだけど、事実として住民は半壊状態の自宅に入って掃除やら荷物やらを出している。これは本当に大丈夫なのか。そこで当会は、日本木造住宅耐震補強組合の協力を得て、気仙沼と陸前高田市に建築士を派遣し、住宅の安全性を確認しまた家の持ち主の建築に関わる質問に答えている。

清掃プロジェクト。これは企業ボランティアの方を派遣して、一般ボランティアでは出来ない床上げや高圧洗浄、殺菌などの業務をしていただいている。現在、関東白蟻防除さんに協力いただいて、気仙沼に常に1名派遣して貰っている。有り難いことだ。他にもオファーが来ているので是非、もっと手伝って貰いたい。

心のケアプロジェクト。被災住民は、避難所生活に疲れて相当参っていて、心のケアが必要とされている。 たまにはリラックスしたり、歌を聞いたり、ちょっとした催しを開いたり、またカウンセラーを派遣して相談に乗ったりすることが必要だ。当会ではこのようなイベントを今後定期的に開いていく。これも陸前高田と気仙沼である。

現在、上記の様な案件が進捗している。これらが一段落つけば、次は復興プランを立てサポートしていく予定だ。 

当社は民間企業だが、NICCOを通じて一企業の枠を越えて活躍させて頂くことが出来る。大変恵まれたことだと感じている。で、この機会を独占するのはもったいない。我こそはと思われる企業、ボランティア休暇を取って何かやりたい方、どんどん相談してください。

役に立つ人、立たない人

カテゴリー: カテゴリ未分類

東北支援を継続しているが、GW中の今日までは4人体制で現地で活躍してもらった。明日からはまた人員一部入れ替えをしてフレッシュな気持ちで頑張ろうと思う。

東北での支援活動を通じて色々な組織、行政、民間企業、非営利団体、また組織に属さない個人とも出会う。僕は会社経営をしているから、目的を達成する(=支援者の復興を助ける) ためにどんな人が役に立つか、立たないか、よく分かる様な気がする。

使えない人間の典型は、理屈先行で自分の頭で理想型をこねくり回し、結局目の前の小さな実行も出来ていない人たちだ。学歴があって理屈っぽくて、でも結構詰めが甘くて現実性もない。そういう夢物語に近いことを現場で真顔で主張されると、やれやれという言葉しか思いつかなくなる。

現場で使える、役に立つ人間の典型は、全体的な方向を漠然とでも理解し、目の前のニーズを掴んで小さく事業を始められる人。一日中歩いてでも被災地の人々の状況を把握しようとし、その場で出来ること、これから解決すべき課題を打ち合わせして次のアクションに繋げれる人。周りを巻き込んで、個人ではなく組織、一組織だけでなく多くの人に呼びかけて他人を動かせる人。

要するに自分の足と頭で考え、他人も巻き込んだ実行力がある人が現場では活躍する。 

組織も同じことだ。総論賛成(東北を支援しよう)、目的OK(最後は東北の人に自立して貰う) 、でも総論と最終目的を繋ぐ具体的手法があまりに貧弱な組織も目立つ。 

曰く、募金をしよう(で、どこに寄付?誰がどう使う?)、提案書を出そう(で、誰が実行する?)、モノを送ろう(で、誰がどうやって配る?)、呼びかけよう(お前がやれよ)、祈ろう(気持ちは分かる)、出来ることを精一杯やろう(負担なく出来ることしかやらない?)。

東北を支援する気持ちが本当なら、実行は簡単なことだ。先進国日本においては支援金もモノも溢れるくらいにある。だから最早お金やモノの不足は問題になっていない。 これだけの経済規模の国だから、最後は増税すれば良いだけの話である。

問題は人材不足である。上記の「使える人間」が圧倒的に現場では不足している。そこそこ以上の企業から一名、「使える人間」をボランティアでも有給でも派遣して貰ったら、たちまち積み上がっている物資や義援金を有効に使ってくれるに違いない。その数はおそらく1000人とかの規模で良いはずだ。その1000人が各地の事業責任者となって、後の労働力は地元から雇用すれば良い。

「1000人の役に立つ人材」、たったそれだけの話なのに何とかなりませんかね。当社は正社員二十数名の会社なのに常時2名は派遣しているから、名誉ある0.2%を占めています(彼らは「役に立つ人材」のはず)。 

PAGE TOP