社長ブログ

社長フィロソフィー日記

企業人は何をすべきか

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東北被災地に、ボランティア団体の副理事長として関わって3ヶ月になるが、企業が出来る貢献として、いつも思うことがある。

今日も新聞を読んでいたら、関西経済連合会が企業ボランティアとして、大阪からバスで30人近くの所属企業社員を派遣するとあった。派遣先は石巻ボランティアセンターで、瓦礫撤去や清掃などに取り組むという。車中を含む4泊、つまり一週間弱のボランティア活動で大変だとは思うが、けれど実感として何か違和感があるのは否めない。

社会貢献は、自分が得意なことを活かして相手のために最大限ためになることを考えるべきだと思う。肉体労働が得意ならば労働奉仕も良い。特に経験もなく、取り柄は体力だけの学生なら、それもありだろう。被災地では単純労働も全く足りていないから、 一生懸命やってくれる学生は本当に喜ばれる。

しかし企業人が、わざわざ関西からバスに乗っての強行軍で肉体労働しにいく価値はよく理解出来ない。それしか出来ないのか?いや、本来なら、企業人として優秀な人ならば、事業統括責任者になるとか、新たなニーズを調査して、自社のネットワークを活かしてプロジェクトを立ち上げるとか、自社製品、サービスを使った貢献策がないかを考えるとか、もっと知恵を使う仕事をして欲しいと思う。

わざわざ無償で高給取りの社員が東北に行く経費を使うならば、被災地で職を失った人々に日当でも払って作業をして貰った方が良い。 なんと三井住友銀行副頭取も参加するらしいが、そんな高給取りの年配の人が大阪から瓦礫撤去に行っていただく意味が分からん。そう言えば確か三菱商事も社員1000人派遣して同様に労働奉仕をすると読んだことがあるが、これも労働奉仕よりも、そんな優秀な社員を使うなら、1000の支援事業を立ち上げてもらった方が余程被災地のためになると思う。

当社も社員を派遣しているし、僕自身も頻繁に被災地を訪問しているが、社員に言っているのは、「肉体労働をするな」ということだ。肉体労働は必要だけど、もっと出来る人が沢山いる。学生ボランティアもそうだが、被災者で仕事を失った人も。だから当社の社員がそういうことをするのは優先順位が低いし、また「投資効率」も悪い。だから炊き出し事業の立ち上げとか、コーディネートの仕事とか、役所周りとか、もっと知的で創造的な仕事をして貰いたいと思う。これには勿論、社会人としての実力が必要だ。

被災地支援はこれからも長期に渡る。緊急支援が終わりに近づいて来て、次は復興支援だ。仮設住宅に入った人は自立を求められるが、まだまだ支援が必要、そして根本的には、この地域がこの先「何で食っていくのか」という経済活動、事業の種を育てていかねばならない。つまりとても難易度が高いプロセスが待っている。

こういう時にこそ、民間活力が活かせると思う。自社の得意技を活かしたいと考えている企業経営者の方、是非お申し出ください。当社の社員もまだまだ頑張ってくださいね。 

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