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社長フィロソフィー日記

一回限りの買い物は高い

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モノの値段は値打ちからして安いものや高いものがあるけれど、原理的に「買う頻度が低いものほど高くなる」という法則がある。

典型的には住宅である。住宅は一生にそんなに買い替えるものではないから(だから「一生の買い物」とか言われる)、そして金額的にもとても高額だから、買う時には散々資料を集め、 モデルルームを見に行ったりして情報収集に労力を使う。

これは売る方から見ると、住宅と言う商品を買って貰うためには、商品の説明は勿論、自社のこと、担当者のことなんかも全く見知りもしない人にゼロから説明する手間がかかることを意味する。ゼロから全て納得してもらう、信じてもらう、自社の商品を選んでもらうための莫大なコストがかかるということで、これが全て商品(=住宅)の価格に乗っかるということである。ましてや注文住宅なんて、打ち合わせ費用が莫大で、つまりは最終価格も建て売りよりも勿論割高である。

車もそうで、数年に一回しか普通は買い替えないから、新規顧客を引き寄せるために莫大な広告費などもかかる。ショウルームを建て、営業担当者を置き、テレビ広告も含めてコストがかかる。これが車の価格に反映される。

反対に安いのは、毎日使う消耗品だ。一回ブランドや商品を決めれば、何も考えずに毎日同じものを買う。食品なんか典型で、なくなれば大抵は同じものを再度購入することが多いだろう。いわゆる「定番」である。売る側から考えると最初に「採用」されるのは大変だけど、一旦採用されたら自動的に購買してもらえる。二回目以降に販売する営業経費は殆どかからないから、商品の値段だって安く出来るのだ。

こう考えると、リピート顧客が如何に大事かが分かる。二回目以降は商品説明が要らない、会社のことも分かって貰っている、価格交渉も済んでいる、後は注文を受けて出荷するだけってことだから、本当にありがたい顧客である。同様に、同じ顧客に他の商品を買って貰う「クロスセリング」も大切だ。担当者も会社のことも分かって貰っていて、一回目と違うのは商品だけだから、商品さえ説明すれば他は手間がかからない。だからビジネスを考える時に、既存顧客を大事にすること(同じ商品を繰り返し買って貰う、他の商品も買って貰う、そのために既存顧客サービスを充実させる)が重要と言うことが分かるだろう。 

当社はセミナーなどを頻繁に開催し、また親しい顧客には社内セミナーなどを提供して既存顧客を大事にしようとしている。確かに「儲かること」も大事で経費も切り詰めないといけないけど、既存客が大事だと分かっているならそれなりに労力と経費をかけてフィードバックしなければならない。それが結局は持ちつ持たれつ、ウィンウィンの関係作りだと思うから。 

出し切る。

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今日は神戸マラソンの日、当社の西尾くんが当社内新記録である初の4時間切り、3時間48分で完走したらしい。おめでとう。

彼は去年の那覇マラソンでも4時間2分の惜しい記録を出していたから、4時間切りも時間の問題と思われたけど、実際に4時間を切るのは大変なことだ。キロ当たり6分では4時間15分、4時間を切るにはコンスタントに5分40秒位のペースを保たないといけない。 これは毎日気持ち良く30分とかジョギングしている位ではとても出来ないタイムである。

レース後の彼からのメッセージで印象に残ったのは、「出し切りました」という言葉だ。レースで持てる力を全て出し切ること、これはとても大切なことだ。

「出し切る」というのは実は本能に反した行動である。本能的に、疲れてくるとなるべく力を残そうとする。それは力を出し切ってしまうと「次の事態」に備えることが出来ないための動物的な対応だ。だから本当に「出し切る」ためには、日頃から「出し切る」練習を積まないといけない。水泳の北島康介が最後の5メートルでの勝負を勝つために、「ゴール」ではなくて「ゴールをしてから振り返るまで」を仮想のゴールと考えて泳いでいるのは有名な話だ。ゴールをゴールと思ってしまうと、最後の数十センチで「本能的に」力が抜けてしまうからである。

そう言えば僕の高校時代も、水球の監督に(負けてしまった)試合後に言われたことがある。 「なんでお前ら立ってられるのだ。全力を尽くして負けたのなら、そこら中に転がって、もう立てない程消耗しているはずだ。試合後に立てる体力を残しているのが信じられない」と。

西尾くん、ほんと偉い。次は仕事で「出し切って」貰いたいものです。はい。 

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