社長ブログ

社長フィロソフィー日記

ポセイドンジャパン敗退

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ポセイドンジャパン、すなわち水球の日本代表がオリンピック予選に敗退してしまった。今回の代表チームは海外の強豪チームで活躍する選手がいる過去最強だったと思うが、それでもアジアの壁を破ることは出来なかった。
キャプテンの青柳選手は、京都の強豪鳥羽高校の出身である。僕も母校の水球部の応援のためにインターハイ近畿予選を観戦したことがあるが、その時も青柳選手は超別格のスーパースターだった。高校では勿論インターハイ優勝、国体優勝、そして大学一年生で全日本に選ばれる。この青柳選手の他にもすごい選手がいるのだが、それでもカザフスタンに4-6、中国にも6-7で惜敗してしまった。
改めて思ったのだが、スポーツでも何でも一人では、一チームでは強くなれないということ。常に自分より上のライバルと死闘を繰り広げ、限界のところでスーパープレーを出せることが本当の実力だ。自分よりも弱い相手にいくら良いシュートを打っても関係ない。実際の試合、しかもオリンピックがかかる土壇場では、相手も死ぬ気でやってくる。死ぬ気の相手から決定的なゴールを奪うには、普段から「死ぬ気の相手」と戦っていなければならない。
そのチームが強いか弱いかは練習を見れば分かる。何か重要なことがかかっている場面で、死ぬ気で実力以上を発揮しなければならない場面でやるような緊張感を持って練習しているか、それとも練習だから、相手が下級生だから格下だからと言って相手に合わせてダラダラとやっているかどうか。普段からやっていないことを、あの緊迫した重要な場面で出来るはずはないのは当たり前と言えば当たり前だ。
とするとやはりライバル、しかも自分より上のライバルと日頃から切磋琢磨していないと、何事も上達しないことが分かる。経営もそう、これでもういいやと思ったら進歩はそこまで、小さい業界でそれなりの地位を築いたからもういいやと満足してしまえばもうそこまで、より厳しい市場へ、より競争の激しい市場で勝てる実力は決してつかないことは自明である。
これは結局何を目指すのかということにも関わってくるが、少なくとも当社はもっともっと進歩していきたいと思っている。そうすると今の仕事の仕方で良いのか、週一回くらい徹夜しなくて良いのか、今日出来ることを明日に回して良いのか、とことんまで話を詰めなくても良いのか、すべてが「本番でスーパープレーが出せるか」に繋がってくる。
さてまた明日から月曜日、ストイックに頑張っていこうと思います。

現実歪曲フィールド

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「現実歪曲フィールド」という言葉を知っているだろうか?マックのファンなら当然、先日亡くなったアップルの創業者スティーブジョブスの言動を半ば揶揄する言葉である。
現状を無視し現在得られる技術を無視し、また経緯や事実すらも歪曲して「言いたいことを言う能力」である。不可能と思えることを可能だと言う能力こそ、アップルが画期的な製品を開発できた理由だとも言われている。アップルが苦境に会った時にマイクロソフトに出資を仰ぐが、その時の口説き言葉が「二社が手を結べばシェア100%になる」というものだった。結果的にビルゲイツは出資することになるが、その交渉過程はアップルの方がシェア95%を持っているような「現実歪曲」ぶりだったと言う。
大企業であるIBMがパーソナルコンピューターの分野に進出来た時もアップルは広告を出している。「ようこそIBM。本気で言っているんだ。」まるで既存のパーソナルコンピューター業界を代表して言っている口ぶりだが、当時はアップルよりも大きな会社はいくらも業界にあったのだ。
事実を曲げることもよく知られている。妥協的な製品についてはこっぴどくこき下ろし、良いアイデアはまるで自分が考えだしたかの様に現実を歪曲する。周りの人間にすれば迷惑この上ない人間なのだが、それで結果的に、革命的な新商品を連発してしまうのだ。
ジョブスの言動や功績を見てみると、どうやら「事実」や「正論」はあまり重要でないとさえ思えてくる。考えてみると、世の中こういうことはたくさんある。信用や影響力がある人が言えば、なんだって人は耳を傾ける。話の内容はほとんど関係ない。その人が言っている様子、表情だけを見ていて、それが白でも黒でもどっちだって重要ではない(またはどっちも重要)と納得してしまうのだ。人は事実や内容、理屈によって動くのではない。かなり感情的な生き物だと思う。
ジョッブスがこき下ろせば、それが当たってようと当たっていまいと、経緯すらも関係ない。要するに「もう一度やり直せ」、「もっと良いものが出来るはずだ」、「なぜそれがベストだと言えるのか説明せよ」、ということだ。そしてそれが「最高!」と評価されれば、技術的に稚拙であろうと何であろうと、彼を信じてその「現実」を受け入れることだ。
逆に言うとこれは大概の人間関係にも当てはまる。きちんと資料を出し十分時間を取って説明しても、心から納得して自ら動いてくれることは滅多にない。人は聞いている様で聞いていないのだ。すなわち「気持ち」が動いていない。その人の本当に「聞かせて納得させる」には、何度も何度も説明したり、おだてたり脅したり、熱意を持ってその人の魂を動かさないといけない。魂を動かすためには、事実や正論なんてあまり重要ないのだ。極論だけど。
全然余談だけど、今回の増税問題もそうだ。たしかに公約破りで民主党には反論の余地はない。でも今、増税出来なかったらどうなるのか。国際信用は失墜し、遅かれ早かれ国債は暴落し、国家的な危機が訪れる。今こそ野田総理の「現実歪曲フィールド」が必要とされているのだが、どうだろうか。

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