日蝕
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今日は朝から日蝕鑑賞のため、7時位から窓に張り付きだった。幸い予想は外れて結構晴れていて、クリアな金冠日蝕を見ることが出来た。良かった、良かった。
日蝕と言えば、大袈裟に言えば人生の岐路となったかも知れない出来事を思い出す。忘れもしない、高校一年生(か二年生、忘れているじゃないか!)、水球部の合宿の最中だ。余りに厳しい練習にもう僕は限界を越えていて、ギブアップ寸前だった。確か100メートルダッシュかなんか連続で、水泳部出身でない僕は当然ついていけない。一本終われば休む間もなくもう一本というのが延々と続いていた。「もう本当に駄目」と心が折れかけていたまさにその時に、監督の先生が、「おーい、日蝕の時間だ、(何十年に一回のことだから)一分間休憩!」と叫んだのだ。
僕はその一分で息を吹き返した。後はどうなったのか分からないけれど、なんとか乗り切ったのだと思う。練習中に心が折れる、あとはヘロヘロになる、練習リタイヤ、落ちこぼれる、嫌になって退部という魔の連鎖を断ち切って、なんとか合宿を乗り切ることが出来た。高校の水球部で達成した体験はその後の人生(今も)に大きな影響を与えているから、あの時あのタイミングで日蝕がなかったら、今の人生も全く違ったもの(多分もっとしょうもないもの)に変わっていただろう。
今回の日蝕はそんなドラマチックなことも人生の危機もなく、家族で平和に鑑賞することが出来た。これを「進歩」と呼ぶのか、ぎりぎりのところを生きていないことの証明になるのかは分からないけれど。