社長ブログ

社長フィロソフィー日記

DRI

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アップル関連本を読んでいたら、社内用語に「DRI=Directly Responsible Individual」、略してDRIと言うのがあるそうだ。文字通り「直接的に責任のある個人」ということで、どんな業務、プロジェクトにもこの名前がくっついている。要するに、結果を出す責任者、または「うまくいかなかった時に叱られる人」ってことである。
前回も書いたけど、業務には名前を付けないといけない。何とか開発プロジェクトという名前、そしてその所有者=責任者をはっきりさせないといけないと思う。そしてその所有者は職務や階層に関係なく、結果を出す責任を持つ。担当者でも何でも、その上司が「責任は俺が取るから頑張れ」というのもないし、逆に「責任を取れないからやるな」ってのも基本的にはない。日本の多くの組織の弱みはこの責任の明確化がなされていないことがあって、「チームでやってます」というのは誰も責任を取らない、責められないということを意味する。
プロジェクトというのはある特定の個人が必死に頑張るから出来るのであって、「私のプロジェクトだ」という「オーナー意識」というものが不可欠だ。「皆が協力して」というのは響きは美しいが、結局特定の個人が歯を食いしばって知恵を絞り出し行動していく、他人を説得するからこそうまくいくと思う。逆にうまくいかないプロジェクトは誰もコミットしていない状況、もしくは責任者の「入れこみ方」が足らないのだろうと思う。
当社もDRIをはっきりさせたプロジェクト管理を高度化させたいと思っている。既に優れた経営管理ソフトを自前で作って運用しているが、これが加わるとまた一段とパワーアップする予定です。

不測の事態に備える

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原発事故に関して当時の菅首相が非難されているけれど、個人の資質はともかく、誰がやっても同じ様な結果に終わったと思う。事故発生から数日、特に最初の24時間が勝負だったのだから、余程行動力と理解力、決断力があるスーパーマンでも100%の対応をあの場面で行うことは至難の業だ。その後、枝野官房長官(だったっけ?)が殆ど不眠不休で事態の経過説明などに当たるのだが、そうなった時点でもう「負け」である。
問題は「事前に」あらゆる事態を想定してのアクションプランをじっくり準備していなかったことに起因するのであって、そのタイミングは「建設当時」だから、菅首相の責任を追及するはずの自民党も偉そうなことは言えない(だから追及が甘くなる)。繰り返しになるが、あれだけの事態を短時間に総て正しく判断して対処することは不可能、だからこそ事前のプランが必要(事故が起こったら専門家が粛々とその通りにやる)ということだ。
これは何でもそうだ。「想定外」とされることが起こった時に、よく「ヒーロー」が話題になる。今回の自衛隊がそう、東京消防署レスキューチームがそうである。でも想定外の事態にヒーローを生んではいけない、事前に準備をして粛々と地味に解決するのが一番である。
会社経営もそう。想定外の事態をどの程度予測出来るか、準備出来るか。地震などの災害リスクは当然で、さて社員の安否を迅速に確認出来るか、翌日から他の場所で営業が開始出来るか、業務データは安全か、社員の健康リスクは、経営者リスクはどうか(これが一番心配?)、考え出すと切りがないけれど、いずれにせよ「起こってから」では遅いのである。
リスク管理の面でもやはり当社の、「少ない人数で、クラウドコンピューティングを駆使し、工場を持たず、皆でマラソンする」というのは結構良い線いってると思う(最後のはこじつけだけど)。とはいえ気を抜かず、リスクに対して敏感にいようと思う(そして30キロを越えての無理はいけない)。

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