社長ブログ

社長フィロソフィー日記

人材を活かす責任

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組織には良い人材がなるべく多く必要で、企業経営も同じことだ。何を顧客に提供するか、どんな新商品を開発するかということも大事だが、そもそもどんな人材をその会社は社員としているかの方が重要だと思う。良い人材がいれば、専門性やマーケットはそれほど重要ではない。優秀な人材は専門知識が足らなければどこかから持ってくるし、そのマーケットの中で自社が勝てる土俵を探せるものだ。 

一方で一つの組織が優秀な人材を抱え過ぎることは、社会にとって良くないことだと思う。 自社で活かしきれない人材を確保しつつ、赤字事業に長年張り付けておくことは社会にとって損失だ。大企業はそのブランド力で、多くの一流大学卒の学生を採用する。僕も新卒時は銀行に入社したが、新人時代に二ヶ国語を操る東大卒の同期の帰国子女に預金集めをさせていたことを思い出す。社会人としては何の経験もないのだから預金集めも仕方ないかと思うけど、もうちょっと人材の活かし様があってもいいんじゃないかとも思う。ソニーみたいな一流企業でも電化製品部門は長年赤字のままだ。20年も一回も黒字を出したことのない事業部に張り付けられた人たちは、いかに昔優秀であってももう優秀ではなくなってしまっているだろう。他の部署や中小企業に就職していたら、黒字事業を生み出すバリバリの人材になっていたかもしれないのに、大企業がこの人を活かせなかったとすれば社会としては損失になってしまう訳である。

高校サッカーの決勝戦を観ていたら、優勝した東福岡高校の部員は280人らしい(キーパーだけで23人!)。試合に出るのは11人、ベンチに入る人をいれても20人以下だろうから、残りの260人は5万人の観客の一部となって応援しているということだ(ほとんど腹が立つ)。皆で一丸となってと言えば聞こえは良いが、要するにこのチームは他のそれなりの強豪チームに進学していればレギュラーとして活躍したかも知れない260人を活かせず、スタンドで応援させているということだ。1チームが何かにモノを言わせて優秀な選手を独占してしまえば競争は阻害されるし、飼い殺しにされた選手たちは活かされないままに腐っていってしまう(だから企業競争では独占禁止法がある)。

組織であれば抱えている人材を活かすことは社会に対する義務だし、逆に優秀であればそこで活躍できない組織は見切る勇気を持つべきだと思う。当社は当然精鋭を少数抱えて、当然その全社員を活かす経営を目指しています。 

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