社長ブログ

社長フィロソフィー日記

多くの「大一番」をくぐり抜ける

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先週あったジュニアオリンピック(小学校・中学校・高校以下の女子の全国大会)で、中三の次男が属する豊中水球クラブがなんと全国優勝を飾った。水球は競技人口が少ないマイナースポーツだけど、流石に全国優勝はすごい出来事だ。と言う訳で先週は何も他の事には手をつけられず、毎日毎日勝ち進むチームを全力で応援し、同じ様に毎日消耗しながら盛り上がった一週間であった。
この豊中水球クラブは練習場所の確保もままならず、僕の母校の茨木高校のプールを頻繁に利用させていただいたり、遠征などを繰り返して強くなってきた。強いと言っても大会前は実力的には全国ベスト8くらいだったかなと思う。大会で予選と決勝トーナメントで二回当たった石川のチームには、これまでの練習試合や公式戦でも一度も勝てなかったし(2ヶ月前の地方大会では結構大差で負けていた)、競泳と掛け持ちの選手なんかは水球の練習自体十分に行えなかった中での今回の大会であった。
それが予選からの試合でどんどん強くなり、途中危ない試合もあったけれどその度にミラクルを起こして勝ち上がり、あれよあれよと言う間に決勝に進み、その決勝戦では前述の石川のチームに快勝(予選では同点、ペナルティーシュート負け)すると言う快挙を起こした。この大会を通じてチームは本当に成長し、「こいつらこんなに強かったかな」と思うほどの素晴らしい結果を残したと思う。
子供達も頑張って多くのことを得たと思うけど、観戦している保護者や応援の大人たちにも大きなインパクトを残した。皆口々に「良いものを観せていただきました」と感想を言い合い、相当興奮、感動した様に思う。
僕も確信を深めたことがある。何年も前から相当な準備をして、人生を左右する「大一番」、実力の限りを尽くして勝負に挑み、どれだけの成果を挙げられたか、修羅場をどれだけくぐってきたかが、その人の実力を決めていくと言うことだ。受験でも、部活でも、発表会などでも、ベストの結果を出せるメンタルと実力が問われる「本番」で、人は相当に鍛えられる。また人生のピンチで如何に修羅場を乗り越えるか、「若いうちの苦労は勝手でもしろ」と昔の人は言うが、それは目の前の大変な苦労という「本番」を乗り越えたときに人は大きく成長するからだと思う。
したがって、「子供の教育方針、社員の教育方針は?」と問われれば、それはなるべく多くの「本番」「大一番」の機会を与えることだ。日頃から努力を積み重ね、苦しい練習や準備を行って挑む「本番」でしか身に付かない「実力」と言うものがある。適当に仕事して適当に成果を挙げても、やり直しの効く練習で良いプレーをしているくらいの話で、なんの成長もない。与えられた場所でコツコツ頑張って、その成果を皆の目前で発揮して「大一番」で勝っていく、いや例え負けて悔し涙を流したとしても、その経験は必ず自分の成長に繋がると思う。
これからも当社も(子供達も)、いろんな「本番」が待っていると思う。多くの修羅場をくぐり抜け、本当に強いチーム、人間を育てていきたいと思います(自分も)。 

スモールスタート

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製品開発などのプロジェクトにおいては、予算が少なく締め切りが早い、つまり「スモールスタート」が成功し易いというのが一つの法則である。
プロジェクト予算が多ければ、色んな要素を詰め込める。仕様を上げれる、あれもこれも機能を盛り込める、十分に経費を使って立派なカタログ、専用ウェブサイト、その他広告戦略を展開できる、つまりあれもこれも出来てしまう。締め切りのない仕事はないけれど、締め切りが余りに先であったり、「なる早だけど締め切りのない」プロジェクトだと、色んな可能性を検討できるし、打ち合わせにしても、「顔合わせ」、「会議のための下打ち合わせ」、「担当グループ会議」、「グループ長会議」、「月例定例会議」とか、様々なレベルとメンバーの組み合わせで、一体誰が責任者で物事を決めているのか分からないほど、打ち合わせばかりが延々と続く。プロジェクトに関わる要素が多ければ多いほど、細部に渡って完璧になるまで時間が掛かる。カタログの表現とか誤字とか、様々な利害関係者の契約書の準備とかやりとりに時間がやたらに掛かる。「待ち」の時間や会議の時間設定にも時間が掛かるし、良い?タイミングで不測の事態も生じることが普通だから、ますます製品完成が遅れることになる。
結果として、何もかも詰め込んだ、やたら手間暇かけた(コストも高くついた)製品が長い時間を掛けて出来上がり、でも出来た頃には事情も市場環境も変わっていて、なんだかボンヤリとした戦略の下、そういう製品はまず売れない、というのが典型的な展開である(当初の責任者もとうの昔に異動してしまったりしている)。
それに対して予算も少なくて、早く製品化する必要がある場合はどうなるか。予算がないから出来ることは限られている。立派なカタログは出来ないから、パワポのプレゼンで用を済ませるしかない。仕様も最低限のものだけ、ややこしいことはない、ストレートフォワードな内容になっている。やること、やれることがあまりないから、最低限のミスは修正してすぐにデモ機でも完成させて、取りあえずは見込み顧客のところに持っていく。スモールスタートということだ。顧客のところに持っていけば、そのまま採用ということはない。ああだこうだ言われて、それを修正しまた持っていく。その内、デモ機を売ってくれとなって、「製品」として取りあえずは価格を決めて一台、二台と売れていく。その度に顧客から、ああしてくれこうしてくれと、使ってみて初めて分かる点を指摘され、またそれを修正してバージョンを重ねていく。そのうち完成度が上がり、売れる場合には本当に売れる製品として仕上がっていくというのが、典型的な成功ストーリーだ。
プロジェクトを成功させるのに大切なことは、なるべく早くシンプルな形で「タンジブル(=手で触れられる)」な具体的なものを作り、取りあえず早く顧客に使い勝手を試してもらう事だ。タンジブルなものなしに顧客にヒアリングしても批評のしようがない。具体的なものがあって、スウィッチの位置とか押し具合とか、大きさ・重さなどの感触、ウェブの使い易さ(見やすさ、動線のスムーズさ)、サービスの快適さ、見た目の良さなどが分かる。製品の本質的な良さがあれば、カタログがなくても機能が極めてシンプルでも、筋が良いものは良いと分かるものだと思う。
当社でも、なるべく早くデモ機を出せ、サンプルを作れ、取りあえず見込み顧客に見せてみて、そこから分かることを盛り込んで、バージョンを重ねていけと言っている。そのためには責任者がしっかり最低限のことを行って、自分が責任者だと自覚して意見を聞きにいかねばならない。自分がう良いと思っても他人は違う意見を持つだろうし、早く「違う意見」を言ってもらうこと自体が大事なのだ。最近当社も組織が大きくて?予算も使える様になった(なってしまった)からか、どうもスピード感が失われている気がする。タンジブルなものを出さねば、仕事をしたことにならない。それくらい思って、スモールスタートの手法を思い出して欲しいなと思います。 
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