増税か否か
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最近消費税を中心とした増税について、政治家の間で議論が盛んになっているようだ。政治談議は政治家に任せるとしても、気になるのは、「増税すべきでない」という人たちの根拠が「選挙の時に増税しないと言ったから」ということだということだ。
財政が不健全でかつ高齢化が始まっている。国への信頼が薄れれば国債は暴落し金利が跳ね上がる。これは数字的には日本よりましなギリシアやイタリアで起こっている現実であり、こういうことだけは絶対に避けないといけない。
政治家の行動インセンティブは「次の選挙にも当選すること」であって、まともに日本の将来を考えているとは思えない。選挙に落ちればただの人(いや、それ以下)だから、物事の判断基準が「自分の選挙に有利か否か」にあることが多い。
だから「増税しないと言ったのに増税するとは何事か」と批判されるのが怖いから任期中は増税を決めない、また解散されると現状では再選される見込みがないから解散により国民の信を問うこともできないというデッドロック状態にある。政治家個人の損得で国の将来が左右されるとすれば悲しいことである。
そもそもの問題は、すぐに見直さないといけなくなるようなことを公約とした民主党の選挙のやり方、またそれを信じて投票した有権者にあるのだが、ここに至っては前の約束がどうだったかよりも、身を呈して今正しいことをやることが大事だと思う。
こういうことは経営者にもよくあることだ。リーダー自ら乗り出した肝いりプロジェクトがうまくいかなくなった、その時に前言を翻して撤退する、方向を変えることが必要だと思う。君子豹変すとはよく言ったものだと思うけど、事情が変わったのであればメンツや批判など気にせず、その時正しいと信じたことをやることだ。
本当は自分のためなのに、あたかも「日本のため」と言い繕って頭数を集めようとする政治は見ていて本当にみっともない。そこに出席しないといけない「何とかチルドレン」と呼ばれる人たちは哀れだけど、自分に実力も信念もないのだから仕方がない。やはり人間は世の中のために正しいと思ったことを自分を捨ててやるということが大事だなあと改めて思った次第でした。忘己利他ってことですね。