社長ブログ

社長フィロソフィー日記

朝日新聞の面白い記事

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最近、震災関連情報収集のため、定番の日経新聞に加えて朝日新聞を取り始めた(朝刊だけ)。昨日だったか、余りに興味深い記事が載っていたので感想を述べておく。

(引用開始) 

多くの日雇い労働者が暮らす大阪市西成区のあいりん地区(釜ケ崎)で、長年親しまれてきた街頭テレビが、その役割を終えようとしている。7月の地上デジタル放送への移行を控え、チューナー取り付けなどの費用が工面できないためだ。半世紀近く、街のど真ん中で時代を映し出してきた娯楽は、消えてしまうのか――。 

(引用終わり)

記事に依ると、このテレビのNHK視聴料は大阪府警が「事実上」負担しているらしい。昔からの慣行なので経緯も分からず支払い続けているのだが、地デジ化負担は根拠がないため、出来ないらしい。

で、この記者は「半世紀近く続いてきたこの娯楽が消えてしまうのか」と嘆いているのだが、これがとても興味深い。

だって記事の中にも出てくるが、この費用は10万円程のものである。朝日新聞が紙面のかなりの大きさを割いて報道する「大問題」ではない。話の「落ち」として「なので朝日新聞が費用を出しておきました」なら分かる。相当面積の広告料なら300万円は下らないはずだ。この記事を97%の大きさにして3%を広告代として販売すれば、軽く10万円は出てくる。いや、この記者の給料+経費は1日10万円以上だろう。 だとしたら、「10万円が出て来ないために、半世紀近く続いて来た日雇い労働者の娯楽が消える」と嘆いているのは、ほんと笑いが出てくるしかない。こんな記事を「落ち」もなく載せている新聞もどうかしている。

でもこういうことは世の中で多い。

政治を嘆きつつ投票に行かない人、東北支援と言いながら東北野菜を避ける消費者、 税金が高いといいながら節税に努める会社(高いというなら沢山払ってから言うべき)、枚挙に暇はないけれど、「そんなこと言うなら、やってからにしてくれ」ということが多いと思う。

当社はアピールは下手だけど、少なくとも自社でやってみてから言うことにしたい。しかも出来るならなるべく偉そうにせずに、謙虚にして驕らず、他人もなるべく非難せず、自分たちが解決出来る問題は黙って解決していこうと思う。そして共感してくれる人がいるなら、その時は一緒に頑張っていきたいと思う。「やるべきことをやっている」という自負心こそが、企業の競争力の源泉だと思うから。

ボールは汗をかかない

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欧州チャンピオンズリーグを制したバルセロナのサッカーは、パスを多用することが特徴的だ。短いパスを小刻みに回して、敵が疲れてくるのを見計らってゴールを決める。これに対してイングランドのプレミアリーグではロングボールを出して、フォワードが必死に走り込む、体力勝負のサッカーである。マンチェスターユナイテッドのルーニーなんかは脚力と体格を活かしてゴールを量産する。

どちらがサッカースタイルとして優れているかは結局個々の選手の力量にも依るのだけど、バルセロナの哲学を象徴する言葉がある。

それは「ボールは汗をかかない」というものだ。

選手は走れば汗をかき、疲労が蓄積してくる。それに対してボールをいくら回してもボール自体は疲れることを知らない。つまりいくら働いても「ボールは汗をかかない」のだ。

自分で必死に走っても、ボールに走らせても、ゴールを決めるという目的のためにどちらが有効かは一概には言えない。但し、自分は疲れるけれど、ボールは疲れないという違いがある。 つまりどこで自分で走るか、どこでボールに走らせるかをしっかり考えないといけないということだ。

これはビジネスにおいては参考になる考え方だ。自分で何もかもやる(アウトソースを活用しない、部下に任せない)、しかもコンピューターなどの効率化を考えずに何でもアナログでやろうとする、顧客のところを行くための移動にエネルギーを使ってしまって、提案準備が不十分になる、何でも自社で作ろうとする(他社品を仕入れない)、こういうのは全部、自軍のゴール前から敵のゴールまでずっと自分でドリブルする様な仕事の仕方である。

楽をせずゴールを決めろというのではない。限られたエネルギーをどこで使うべきか、しっかりと考えてから動くこと。動いていることだけで自己満足に陥ってないかをしっかり考えること。こういう視点で仕事をしていきたいと思います。

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