社長ブログ

社長フィロソフィー日記

東北被災地視察

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報告が遅くなったが、先週の月曜日から木曜日まで、僕が副理事長を務めるNGOのプロジェクトとして東北被災地の視察に行って来た。 下の写真は仙台空港のすぐ近くの様子である。左奥に空港が見え、手前には信号機が倒れている。後ろの家は一階が流され、壊滅状態だ。

名取1.jpg

今回の視察では3泊4日の駆け足で、名取市、気仙沼市、陸前高田市を回った。いずれも津波で壊滅的な被害を受けた場所である。この被害で特徴的なのは、津波が襲った地域は壊滅的な打撃、津波が来ず地震だけだったところは殆ど何ともない点である。だから眼下の集落が流されている地域でも、すぐ高台の家は何ともなく建っているという状況がある。また地震から一ヶ月近く経過した今では、津波被害地域以外では商店も営業し始めている。

これからの課題は物資や寝る場所だけではなく、どうやって地域社会が復興していけば良いかの大きなものだ。元々過疎高齢化地域で漁業や農業に頼って来た地域である。それらが総て津波にやられて、住む場所も産業もなくなってしまった。避難所にいる人たちは多くは高齢者で再起の元気も限られている。

こういう時にこそ、人間としての実力が問われる。どれくらい支援を集める事が出来るか、会社としてどのように貢献出来るか、知り合いや属している業界団体を如何に動かすことが出来るか、行政との繋がりをどう活かせるか。

また近いうちに現地を訪問する事になりそうだ。本業も大事、こういう社会貢献も大事。精一杯頑張って来ようと思います。 

 

合成の誤謬

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経済学の言葉で「合成の誤謬(ごびゅう)」というのがある。ウィキペディアから引用すると、

何かの問題解決にあたり、一人ひとりが正しいとされる行動をとったとしても、全員が同じ行動を実行した事で想定と逆に思わぬ悪い結果を招いてしまう事例などを指す。 」

ということである。

今回の震災における消費自粛がこれに当たる。 「被災地の方を思って」控えられる消費、そして将来への不安からも消費するよりは貯蓄に回そうという行動も取りがちである。この行動はミクロでは正しく、被災者への同情からは当然だし、所得が一定ならばその通り貯蓄額も増える。

しかし消費が減ればどうなるか。消費減は提供する側(企業)に取っては売上減である。 消費者が同時に給与所得者であったり自営業者であるから、皆が消費を控えてしまうと所得の源泉になっている売上、利益もマクロでは減ってしまう。その結果所得も当然削減される。とすると、ミクロでは正しい行動が回り回って自分の所得減に繋がってしまうのである。そして企業利益が減るから法人税も減って所得も減っているから所得税も減って、結局は誰も得しない、そして勿論被災地への支援資金も出て来なくなる。まさしく「合成の誤謬」である。

だからこれを避けるには、政府は強制的に税金を取って強制的に消費する(公共事業)をやらざる得なくなる。一番効果的な景気刺激策は、倹約家の人から税金を取って浪費家の人に補助金を与える事という笑える?話も実は本当だ(その発想で若者への所得移転が提案されている)。

だから思うのだけど、例えば「今年稼いだお金は全部使うか、被災者支援に寄付してください、年越し(宵越し?)のお金が余ったものは全部没収です」とでも法律を出せば、いっぺんに景気も良くなって支援も出来ると思うのだけど、どうだろうか?無理ですね、はい。

 

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