社長ブログ

社長フィロソフィー日記

顧客を動かす

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前回は「組織を動かす」ということで会社などの組織を動かすにはどうすれば良いかを書いた。その法則はまさしく外部の、自社の顧客を動かす、説得する際にも全く同じことなので、そのことを書いておこうと思う。

世の中の人や会社は、自社や自分の組織のために存在しているのではない。自社ばかりに都合の良いことを言ったって誰も協力してくれないし、自社製品のメリットをたくさん並べても、顧客は真面目に聞いていないのが普通である。

顧客が動くのは、自分にとってメリットがあると本当に感じた時だ。自社の社員の場合と同じ様に、それぞれの顧客の心の中には、そうありたいと思う自分、新しいアイデア、やりたいことの「火」があるはずである。

当社の役割はその顧客の中にある小さな火を発見し、当社の力でその障害を取り除き、その火をもっと大きなものに変え、そして顧客の夢を実現することにあると想う。

他社・他者を動かそうと思えば、その会社・人の味方にならねばならない。ただ単にモノをあげるのは小善であって、本当の善、大善とは他者がなりたい自分、自分でも気づいていない本当の自分を発見してあげて、その実現の手伝いをすることだと思う。人はその手伝いをしてくれる人を味方と見做し、ようやくこちらを向いてくれるものだと思う。

稲盛さんのいう「利他の経営」とはこういうことだと思う。自社のことばかりを考えていれば(=利己の経営)、顧客は動いてくれないばかりか商売としても成り立たない。相手のことを真剣に考え、相手の夢を叶えるお手伝いをすることが利他の経営であり、結果的には商売もそれで成り立つ(それでしか成り立たない)のだと思う。

経営は奥深い。利他の心をどれくらい専門性を持って取り組めるかが、当社の存在意義である。今年も始まったばかりだが、真剣に取り組んでいこうと思う。

組織を動かす

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日経ビジネスを読んでいたら、先日更迭された長妻元厚労省大臣の談話が載っていた。曰く、「天下り問題、厚労省の隠蔽体質を変えようと思ってトップダウンで取り組んだが、一年という短い期間では結果が残せず、国民の期待にも応えることができなかった」というもの。この人、本当に間違っているなあと正直思った。天下り問題なんかは今の日本が抱える問題のほんの小さな問題でしかない。厚労省管轄の行政にしても、国民は要するに「将来老後は大丈夫か、社会保障はきちんとなされるのか」が興味であって、公務員をやり玉に挙げて溜飲を下げることは一時的には気が晴れる人は気が晴れるけれど、全然問題解決にはなっていない。それに厚労省役人は全く長妻大臣を歓迎せず、評価もすごく低かったと言うがそれもそのはずである。人間は自分たちの味方と見れば協力するけれど、敵(=既得権益を崩す)と見れば協力できないのも人間の心理である。組織を動かすには、組織の目的を理解しなければならない。僕が思うに、組織の目的(対内部)は、限られた個人の力ではできないこと、その人がしたいと思って(=夢)なかなか出来ないこと、組織が良くなるにはこうなれば良いなと思うこと、こういう事柄を見つけて(=夢の発見)、障害を取り除き後押しして実現できるのが組織である。一人一人の社員は本当は良いアイデアを持っている。誰だって自分の夢ややりたいことがあるし、でも独りでは出来ないのが人間だ。だから組織を作って、会社の存在意義との接点を見いだして「良き自分」を実現出来るのが、「場としての会社」である。この時組織(=会社)は個人(=社員)の味方になるから、組織の発展に対して皆協力してくれることになる。厚労省の役人だって、元々はそして多分今も厚労行政を通じて社会を良くしたいと思っているはずだ。そして勿論組織の非効率性や改善点をアイデアとして心の中に持っているはずだ。これを発見して、組織の力で実現していくことこそ本当の仕事だと思う。天下り批判はあるけれど、官僚で優秀な人は実際多いから再就職を妨げる必要は全くない。また現役時代に残業代もなしで働いているのだから、定年後は恵まれた待遇が欲しいのも人情である。働くもの食うべからずの原則から言えば、法人税を払っていない赤字企業、既得権益で守られた民間企業の方がずっと無駄な額は多いはずだ。そう考えると些細とも思える官僚叩きをしてしまって、本来の厚労省の仕事(=厚労行政)には全く手を付けなかった彼の姿勢は問題だと思う。如何に社員に活躍してもらうか、それは罰を与えたり将来の不安を抱かせることではなく、一人一人の心の中にある「やりたい何か良いこと」を発見して、実現できる場を提供することだと思う。

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