顧客を動かす
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前回は「組織を動かす」ということで会社などの組織を動かすにはどうすれば良いかを書いた。その法則はまさしく外部の、自社の顧客を動かす、説得する際にも全く同じことなので、そのことを書いておこうと思う。
世の中の人や会社は、自社や自分の組織のために存在しているのではない。自社ばかりに都合の良いことを言ったって誰も協力してくれないし、自社製品のメリットをたくさん並べても、顧客は真面目に聞いていないのが普通である。
顧客が動くのは、自分にとってメリットがあると本当に感じた時だ。自社の社員の場合と同じ様に、それぞれの顧客の心の中には、そうありたいと思う自分、新しいアイデア、やりたいことの「火」があるはずである。
当社の役割はその顧客の中にある小さな火を発見し、当社の力でその障害を取り除き、その火をもっと大きなものに変え、そして顧客の夢を実現することにあると想う。
他社・他者を動かそうと思えば、その会社・人の味方にならねばならない。ただ単にモノをあげるのは小善であって、本当の善、大善とは他者がなりたい自分、自分でも気づいていない本当の自分を発見してあげて、その実現の手伝いをすることだと思う。人はその手伝いをしてくれる人を味方と見做し、ようやくこちらを向いてくれるものだと思う。
稲盛さんのいう「利他の経営」とはこういうことだと思う。自社のことばかりを考えていれば(=利己の経営)、顧客は動いてくれないばかりか商売としても成り立たない。相手のことを真剣に考え、相手の夢を叶えるお手伝いをすることが利他の経営であり、結果的には商売もそれで成り立つ(それでしか成り立たない)のだと思う。
経営は奥深い。利他の心をどれくらい専門性を持って取り組めるかが、当社の存在意義である。今年も始まったばかりだが、真剣に取り組んでいこうと思う。