実際に「会う」こと (2)
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不思議な感じもするが、実際に会ってみるとおそらく人間の心理として、目の前の人に親切にしたい、出来ればなんとかこの人と仕事をしたい、何か実現できる方向はないかというようなことを考える。
その場にその人やその人が代表する会社がなければ切って捨てるような案件でも、アポを取ってもらって実際面談すると、どういう訳か「希望が成り立つような方策がないか」を考えてしまうし、何とかして目の前の人の提案を受け入れたくなる。
人間の心理なのか、目の前の人を面と向かって否定することは苦手のようで、調和を図る意味か分からないけれど、前向きなバイアスがかかってしまう。逆も真なりで、その場にいない人は「欠席裁判」でネガティブな評価を受け易い。目の前にいる人を贔屓にするためにその場にいない人を犠牲にするのは人間の性質のようである。
だからこそ、重要な場面には「その場にいる」ことが大事だ。いくら情報化社会でIT技術が発達したと言えど、こういうフェーストゥーフェイスの交渉は必須の様である。電話やメールだけではダメで、その場にいて気まずい沈黙や面と向かった自身のオーラも総動員して案件を進めるべきである。
僕も例に漏れず、実際に人に会うとどうしても「大体はOK」って話になってしまう。これはおそらく人との「縁」みたいなものを重視しているからだろうし、偶然をなぜか必然と捉えてしまうからかも知れない。
「理屈では割り切れない」というのは案外こういう人間の性質に拠っているような気がする。当社も「面と向かって交渉する大切さ」をよく理解して、前に進んでいきたいと思います。