社長ブログ

社長フィロソフィー日記

二極化時代の働き方

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厚生省によると、家計所得の中央値は 427万円であり、平均所得金額(547万5千円)以下の割合は 61.5%となっている。
これには二点あって、(1)家計所得はバブル期の1990年代と比べて100万円以上も低くなっていること、それに(2)中央値(家計数の真ん中の人の所得)が平均値(総所得を家計数で割る)に比べてかなり低いということは、所得の高い家計が平均を押し上げている(だけ)ということだ。つまり日本経済における家計所得は絶対水準を下げながら、二極化しているってことになる。
これらって結構ショッキングだと思う。多くの人は実際に収入が下がり、中でも上の方の家計と下の方の家計がかなり開いてきている。僕は政治家ではなくてビジネスマンだから、この現象はどういう原理で生じているのか、そうであればこれからどのようにビジネスをしてかねばならないかに興味を持つ。
真面目に働くことは大切だ。でもその働き方には「仕組みを作る働き方」と「仕組みの中で作業をこなす働き方」があると思う。まさしく上記の二極はこの二つの働き方に対応している。
「仕組みを作る働き方」は、ビジネスの在り方、顧客への価値の届け方を構築する仕事である。コンセプトを考えツールを用意し、いろいろな専門家から意見を聞いたり、実際にプロトタイプを提供して消費者の反応を見る。起業なんかはその典型だが、新しい事業、新しい製品開発なども「仕組み作り」の一つの形である。仕組みこそが社会に価値をもたらす。
一方、「仕組みの中で作業をする働き方」とは、上記で出来た仕組みの中で「後はやるだけ」となった作業をこなす働き方だ。既にデザインされ仕様が決められた製品をひたすら機械のボタンを押し手を動かして黙々と作業をする。判断業務は要らないし、作業手順書通りに業務をこなす毎日を送る。文字通り「石」になって辛い単純作業を黙々と続ける。この作業は労賃が安ければ国内に残るし、高ければ海外の安い労働者が行うようになる。
「石」の様に黙々と働く働き方が必ず「作業」という訳ではない。床を綺麗にする仕事でも、毎日同じやり方をしていたのでは単純作業であるが、「今日は工夫をしてこの手順でやってみよう」と日々改善を行うならばそれは「仕組み作り」の一種になり、より多くの付加価値を生むことになる。
当社はもちろん「仕組み作り」を目指す。日々改善、日々創造、そして多くの価値を生み出し社員にも顧客にも還元し、より社会のためになっていきたいからである。

幸福になる前提としての仕組み

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先月パレスチナに行った時に思ったのだが、国の発展、もっとブレークダウンして人々の幸福は「幸福になる前提としての仕組み」があって初めて可能なのだということだった。

イスラエルとパレスチナの紛争は歴史的にも政治的にも複雑すぎて説明できないが、パレスチナにたまたま生まれた人々にとってはとても閉塞的で希望が少ない状況だと思う。50年前に隣にイスラエルが誕生し、以来どんどん国土を侵食されている、パレスチナ指導部も当てにならなくて極端なテロ(住民は支持してない)、または汚職でどうしようもない。外国企業も来るはずがなく仕事がない。元々優秀なのだか行政も駄目、民間も駄目、外国との貿易もイスラエルに邪魔されて出来ない。まあこんな状況だ。

つまり人が幸福になるための努力の前提みたいなものが全然なくて、努力を始めるきっかけも仕組みもない。ほんと、可哀そうな人々である。

こう考えると国家やそういう社会の仕組みがとても重要なことが分かる。日本だと、物を送れば必ず届く、電話をすれば通じる、隣の国からいきなりミサイルは飛んでこない(多分)、行政も基本的には正直だ(汚職がニュースになる。汚職が当たり前の国はニュースにならない)、信号は守られる、社員は真面目、皆文字が読める、子供は栄養失調で死なない、などなど、こんな当たり前のことが揃っている。

だから人々は勤勉に努力すれば成長できる、生活も良くなると信じることが出来るのだろう。でもそれは世界的に見ればとても恵まれている。

会社も同じ。社員が安心して働ける環境を作らないといけない。そして真面目に働けば給料も上がり、顧客は喜んでくれ、社会にも貢献できる。こういう「仕組みとしての会社」を構築することは経営者の使命。

さてパレスチナに話を戻すと、平和構築のために僕自身は大したことは出来ないけれど、貢献の一つとして小さな手伝いができたら良いなと思っています。

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