社長ブログ

社長フィロソフィー日記

間違った問題

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ピータードラッガー(経営学者)の印象的な言葉に、 「間違った問題に対する正しい答えほど始末に困るものはない。」 というものがある。思わず微笑んでしまう内容だけど、まさに問題は「間違った問題設定」であることが多い。 そう言えば学生時代の試験でも、出題ミスというのが一番罪が重い。受験者はまさか出題ミスなんてあるとは思わないから、その間違った問題にああでもないこうでもないと無駄な時間を費やしてしまう。出題ミスはどうしても解けないケースが多いから、「解けないはずはない、どこかに解法があるのでは」とやたら焦って時間も浪費してしまうのだ。その結果当然他の出題に対しても多大な悪影響を及ぼす。 そして始末が悪いのが「間違った問題に対する正しい答え」だ。経営の場面でもある事柄が議論され問題提起されるが、実はその問題は枝葉末節で大きな問題の「ある部分」であることが多い。その「部分」を解決しようとして、実際には「全体」を歪めてしまうこともある。ちょっと専門的だが、部分最適の合計が全体最適をもたらすとは限らないという「合成の誤謬」である。簡単に言うと、各営業担当者が自分だけの成績のために自分勝手に振る舞うと、会社全体ではパフォーマンスが下がってしまうとかいう様な事例だ。 「なぜ売り上げが伸びないのか」は間違った問題設定で、この間違った問題に対する「正しい答え」はもっと頑張って売れということかもしれないし、魅力ある商品開発かもしれない。そうすると営業訪問を多くしたり営業担当者にノルマを課したり、商品開発にもっと投資をしたりすることになる。 でも正しくは「なぜ顧客は当社から購買しないのか」という問題設定なら、「当社に魅力を感じていないから」という答えになるだろう。そうすると「顧客が当社と付き合うメリット」みたいな話しになってくる。そうすると営業強化や開発投資ではなくて、「顧客から見た当社の魅力作り」が課題になる。 問題設定を間違うと経営が明後日の方向に行ってしまうことがある。まさしく「間違った問題に対する正しい答えは始末に負えない」のだ。 当社もこの点は間違わず、正しい問題は何なのかを常に考えていきたいと思います。

組織と個人

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先日大学時代の友人たちと会う機会があった。その時に「個人としてはひたすら全力を尽くしているけれど、大きな組織の中ではそれがどのように社会に貢献できているが実感がない」という意見があった。 似たような話で当社の取引先の経営者からも、一人一人の社員が自覚を持って主体的に行動させることに困難を感じているというのもある。 これらは同じ問題で、要するに個人と組織の問題である。組織として力を発揮するには当然一人一人の個人が力を発揮しなければならない。でも個人には全体のことが見えない場合もあるし、個人の目的と組織の目的が一致しないことだってあるだろう。 稲盛さんはそれを簡単に「ベクトルを合わせる」と言っている。組織の全員が目標を共有し、同じような温度で仕事をするように価値観の共有を図るのだ。 言うは易し行うは難しだろうが、ベクトルを合わせることはとても重要である。同じ仕事をしているように見えて、「心がこもっている」行為とそうでない行為とは全然違う。組織がある方向に向かっていてそれが共有されて、そして個人が自分のこととして真剣に物事に向き合う組織はとても強い。 そして個人の働きが組織の目的達成に貢献していることがわかり、それが組織内でも評価される仕組みを持つ組織は成長していくのだと思う。 会社の目的、方向性を示しベクトルを合わせるのが経営者の一番の仕事だと思う。当社はあまり大上段に理念研修的なことはやっていないが、日々の業務を通じてベクトルが合い、一致団結出来たら良いなと思う。

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