消費者は騙せない
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先日の渋澤渡米団で訪問した中で,IBMの副社長にも面談した.彼がIBMの企業姿勢を説明する中で,次の様なエピソードを紹介してくれた.
ハドソン川に不時着したUSエアウェイズの話は覚えていらっしゃるだろう.あの飛行機が不時着したその時,USエアウェイズ本社では役員会が行われていた.
その会議の最中,会長の秘書が入ってきて,「会長,お孫さんからお電話です」と言うのだ.会長が電話に出ると,孫娘が「おじいちゃんの会社の飛行機,大変なことになっているわよ」と言いだした.「何を言ってるんだね.私は大事な会議中だから,もう切るよ.また後でね」.
その直後にまた別の秘書が急いで入ってきた.「会長,問題発生です」.
孫娘は,ツイッターを使って友達と情報交換をしていたのだ.不時着を目撃した友人のまた友人,そのまた友人が口コミで情報を広げていた.そのクチコミのスピードの方が,当のUSエアウェイズの役員に届くよりも早かったというエピソードである.
IBMの副社長が言うのに,これだけ情報の伝達スピードが速くなると,企業は消費者をごまかすことはできない.商品がどうこうというより,企業姿勢が問われる時代になっているんだ.それに対応するには,正直に真面目に経営を行うしかない.
IBMほどの大企業でも消費者を騙すことは出来ない.しかも消費者は商品だけでなく,企業そのものを見ている.企業経営者としては厳しい時代だが,非常に真っ当な話でもある.襟を正して,頑張っていきたいと思います.