社長ブログ

社長フィロソフィー日記

リスクを許容できない社会

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このところ災害続きで、僕が住んでいる大阪では地震、台風、そしてまた今日台風に見舞われている。JRは昼前に運行を停止し、店舗やスーパーは早々と休業することにしている様だ。
今日も朝から散髪しようと思ったら、台風はまだ九州にいて大阪は無風だというのに、臨時休業の留守番電話。スポーツジムも百貨店も「台風24号の影響のため、9/30は全館終日休館とさせていただきます。」という状況だった。前回の時は平日だったから、昼には会社から帰宅することを求められたり(実際に直撃したは午後2時〜4時位だった)、最初から出社しない様にしている会社も多かった。
災害時に被害、特に人的被害があるのはもちろん良くない。だから用心深く、早々と運行停止や休業を決めることも良くわかる。
それでもどうかなと違和感を感じるのは、あまりにもリスク回避、しかも一律のリスク回避になっていないか?ということである。台風は刻一刻と進路を変える。今回の事例で言うと、結果的には大阪では22時頃に風速10メートルが30分続いただけだった。現在24時、ほぼ無風で雨も降っていない(台風が過ぎた)。朝から休業していた店舗は一体何だったんだろう。万が一事故があれば、非難轟々だから、万が一の為に休業を決める。これは1000人に1人の事故が怖いのではなくて、なんかあった時の非難轟々が怖いから休業していると思われる。個人的には、台風の時に外出して事故に遭う個人の判断ミスであって(しかも1000分の1の確率)、その時に責められるべきは「その不注意な個人」であって、「開店していた店舗側」ではないと思う。店舗側は世間の目を気にして万が一の時のリスクが取れないから、何の問題も起こりようのない「休業」という選択をしてしまう。
もちろん、災害時も店を開けろと言っているのではない(散髪行けない、車の修理もしてくれなかったのは不満だけど)。お店の人も大変だろうから、遠くから通っている人、いつ何時学校が休校して子供を受け入れないといけない保護者など、理由がある社員は当然休んで良い。でも自転車で5分で帰宅できる人、自宅より堅牢な造りの会社の方が安全な独身者なんかは、様子を見ながら働いて、危なくなってきたら帰宅したり避難したり、お客さんが来なければ休業したりしても良いと思う。要するに、情報蒐集しながら臨機応変に対応すれば良いだけだ。
何かあった時に、前述の様に「その個人がリスクを取って失敗した」と解釈することも出来るし、「そもそも店が営業している方がおかしい」と解釈することも出来る。言えることは、前者は「リスクを許容出来る社会」、後者は「リスクを取れない社会」であると言うことだ。そしてどちらが成長する可能性があるかは、言わずもがなである。鉄道なんて、これまで最後の最後まで運行する努力をしていた様に思う。もちろん電車などの公共交通機関は事故があると被害が甚大だから、なかなかリスクを取れないことは分かる。しかし無風の状態で昼からの運行を全部止める(関空も閉鎖)と言うのもどうかしていると思う。
当社の場合、平日に直撃した前回台風の時は興味深かった。虫好き研究者たちは普段から自然に親しんでいる野生児なのか、強風に揺れる会社で台風をやり過ごした。当社も鉄製の看板の柱が折れるなど被害があるくらい強風に見舞われたのだが、普通に勤務して台風が過ぎた後の掃除など、後始末をしてから普通に夜に退社した様だ。近くに住んでいる社員が多いから、ギリギリまで待てる余裕もあったのだろう。僕は僕でどうせ仕事にならないかなとスポーツジムで走っていた(途中で営業停止になったが)。
今は社会がそうだから、リスクを取らない側の判断に対しては非難が向きにくいとは思う。万が一を考えて何かを止めるのは簡単だ。しかし、個人が自分でリスクを判断し臨機応変に対応する姿勢がないと、個人も組織もどんどん弱くなっていくと思う。これは成熟社会の悪い点だ。当社はいつも、個人が自分の頭で判断してリスクを取り、チャンスも逃さない組織でありたいと思います。

多くの「大一番」をくぐり抜ける

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先週あったジュニアオリンピック(小学校・中学校・高校以下の女子の全国大会)で、中三の次男が属する豊中水球クラブがなんと全国優勝を飾った。水球は競技人口が少ないマイナースポーツだけど、流石に全国優勝はすごい出来事だ。と言う訳で先週は何も他の事には手をつけられず、毎日毎日勝ち進むチームを全力で応援し、同じ様に毎日消耗しながら盛り上がった一週間であった。
この豊中水球クラブは練習場所の確保もままならず、僕の母校の茨木高校のプールを頻繁に利用させていただいたり、遠征などを繰り返して強くなってきた。強いと言っても大会前は実力的には全国ベスト8くらいだったかなと思う。大会で予選と決勝トーナメントで二回当たった石川のチームには、これまでの練習試合や公式戦でも一度も勝てなかったし(2ヶ月前の地方大会では結構大差で負けていた)、競泳と掛け持ちの選手なんかは水球の練習自体十分に行えなかった中での今回の大会であった。
それが予選からの試合でどんどん強くなり、途中危ない試合もあったけれどその度にミラクルを起こして勝ち上がり、あれよあれよと言う間に決勝に進み、その決勝戦では前述の石川のチームに快勝(予選では同点、ペナルティーシュート負け)すると言う快挙を起こした。この大会を通じてチームは本当に成長し、「こいつらこんなに強かったかな」と思うほどの素晴らしい結果を残したと思う。
子供達も頑張って多くのことを得たと思うけど、観戦している保護者や応援の大人たちにも大きなインパクトを残した。皆口々に「良いものを観せていただきました」と感想を言い合い、相当興奮、感動した様に思う。
僕も確信を深めたことがある。何年も前から相当な準備をして、人生を左右する「大一番」、実力の限りを尽くして勝負に挑み、どれだけの成果を挙げられたか、修羅場をどれだけくぐってきたかが、その人の実力を決めていくと言うことだ。受験でも、部活でも、発表会などでも、ベストの結果を出せるメンタルと実力が問われる「本番」で、人は相当に鍛えられる。また人生のピンチで如何に修羅場を乗り越えるか、「若いうちの苦労は勝手でもしろ」と昔の人は言うが、それは目の前の大変な苦労という「本番」を乗り越えたときに人は大きく成長するからだと思う。
したがって、「子供の教育方針、社員の教育方針は?」と問われれば、それはなるべく多くの「本番」「大一番」の機会を与えることだ。日頃から努力を積み重ね、苦しい練習や準備を行って挑む「本番」でしか身に付かない「実力」と言うものがある。適当に仕事して適当に成果を挙げても、やり直しの効く練習で良いプレーをしているくらいの話で、なんの成長もない。与えられた場所でコツコツ頑張って、その成果を皆の目前で発揮して「大一番」で勝っていく、いや例え負けて悔し涙を流したとしても、その経験は必ず自分の成長に繋がると思う。
これからも当社も(子供達も)、いろんな「本番」が待っていると思う。多くの修羅場をくぐり抜け、本当に強いチーム、人間を育てていきたいと思います(自分も)。 
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