社長ブログ

社長フィロソフィー日記

羽田空港ハブ化

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羽田空港を国際線のハブ空港にするという,前原国土交通大臣の発言が話題になっているようだ.

実際成田空港はとても不便である.成田から国内線に乗り換えて日本の地方都市に行こうとする,もしくは逆に地方都市から成田で乗り換えて海外に行こうとしても,成田ー地方都市便が殆ど飛んでないから,結局羽田まで3時間も乗り換え時間をとって「地上移動」を余儀なくされる.羽田空港であれば元々国内線がたくさん飛んでいるのだから,その羽田にもしくは羽田から海外に飛べれば移動の手間がない.

まあ国際ハブ空港として成田か羽田かどちらが良いのかというのは議論の余地があるとして,僕が面白いと思うのは,前原大臣があらゆるしがらみに囚われず(もしくは空気が読めず),「羽田国際ハブ空港論」を言ってしまったことだ.

羽田国際ハブ空港に反対する人たちの論拠は,(1)今まで散々苦労して成田闘争も経て成田空港に力を入れてきたのに,今更それはないだろう,というもの,もしくは森田知事の様に,(2)そんな大事な話を根回しもせず俺に一言もなく,国民に発表してしまうなんて何事だ, というものだ.

(2)は「俺は聞いてない」式の反対の論拠にもならない話だから置いといて,(1)は企業経営上も大事な話だと思う.

「これまで先輩方がさんざん苦労をして立ち上げたプロジェクトだから止められない」,「これまで莫大な額の投資をしてきたのにそれが無駄になってしまう」,「創業者が始めた事業だから止められない」,「誰誰の顔に泥を塗ることになるから止められない」,なんてことはどこでも聞く話だ.

でも企業でも国でも,「現在及び未来が一番良くなる選択肢を取ること」が唯一の判断基準のはずである.過去にどれだけ誰が苦労しようと,どれだけの汗や血が流れようと,どれだけのしがらみがあろうと,それが「現在及び未来にとってあまり価値がない」のなら,しがらみを断ち切って,新しい判断を下すべきだと思う.

成田空港なんて未だに成田闘争の尾を引いて,滑走路もフルに揃っていないし,国内線との接続もめちゃくちゃ悪い.関西空港も国際便が少なくなってきたから,たまに成田経由があるのだけど,伊丹―成田が極端に少ないから,結局,「関空―海外の経由地-目的地」 をとることが多い.

要するに駄目なものは駄目なんだから,この際新しい判断(羽田国際化)をすれば良いと思う.この判断は純粋な技術論であって,過去がどうとか経緯がどうとかは公共の利益の前には関係ないことだろう.

前原さんはその点はえらいと思う.正論を言うのはよほど覚悟があるか,空気を読めていないかだろうが,そういう人でないとドラスチックな決断は出来ないものだ.経営者も同じ,宇宙人とか空気読めてないとか言われるのは褒め言葉なんだと思っています. 

20%の余裕

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グーグルでは,エンジニアが就業時間の20%を自分が興味のあるプロジェクトのために使うことが奨励されているという有名な話がある.その20%での成果によって,GmailやGoogle Newsなどの革新的なサービスが誕生したと言われている.

逆にどんな会社でも,「今の売り上げに最低限必要なこと」だけをやることもできる.注文を取り,事務的に製品を出荷し請求書を出す.これだけでもある程度成熟した会社ならば,数年は食ってはいけるだろう.もしかしたら売上すらもそんなに変わらないかも知れない.

でも世の中はだんだんと変わっていく.一日一日だと変化は分からないかも知れないが,一月,数ヶ月,一年とか時が経つと,いつの間にか歳を取るのと同じように,周りの風景は変わっていく.

その時まで,昨日と全く同じことを「効率的にこなしている」だけの会社はじり貧になっていく.今の仕事だけを機械的に効率的に流すことが,中長期的にみると衰退原因になっていくのだ.

目の前の売上はすぐには落ちない.何もしなくてもまた逆に何かをしようとしても,すぐには結果には現れない.しかし時間が経てはその差は一目瞭然だ.

当社は,「今までの仕事は効率を上げ,将来の仕事のために一見無駄なことも一生懸命やる」ことにしている.数字的に言うと,10年前と比べて売上は2倍になったが事務人員は同じ数である.効率は二倍になったと言えるが,経費も1.5倍にはなっている.経費の50%アップはまさに「目の前の売上を生まない将来への投資」である.技術サポート人員を増やし(無料サポート),セミナーを開催し,無償提供のソフトウェアを開発し,製品の評価や開発にも割とふんだんに経費を使っている.

効率を上げ経費を浮かし,その分将来に投資する.すぐには効果が出ないかも知れないが,中長期的な成長につながる基礎を築いていきたい. こうやって徐々に成長していきたいと思っています. 

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