社長ブログ

社長フィロソフィー日記

情報共有と人間の能力

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当社は自社開発のIT日報などのツールを用いて、社内外の情報共有に努めている。社員間に限らず、ビジネスパートナーとの情報共有の重要性はこの20年来、機会があるごとに言い続けている。何故なら、それほど重要で、一番効果的な経営戦略だと常に痛感するからだ。
人間の能力には特徴があって、物理的な制約はかなり大きい反面、精神的な(頭脳の)制約はほとんどないことだ。
このところの酷暑では、なかなか肉体労働は続かない。集中力はすぐに切れてしまう。移動するだけで疲れる、寝不足もダメだし、栄養過多、運動不足は中長期的にパフォーマンスの低下を招いてしまう。これらは人間が生物である限り、仕方のない制約条件である。
これに対して、頭脳はいくら速く回転させても疲れない。もちろん時間の制約はあるけれど、1日に数時間、おそらく8時間くらいは「頭だけ」ならフル回転させることは可能だ。その時間のパフォーマンスもほとんどなんの制約も受けない。雑踏で千人くらい人が集まっていたとしても、その中の家族や知人は瞬時に見つけられるのが人間の「超能力」だ。本は飛ばし読みが出来るし、「ながら」で聴いている情報も自分に有益なものは無意識のうちに気がつく。仕事も何本も掛け持ちをしながら「並行処理」を行い、一瞬一瞬で全く異なることを切り替えながら処理できる能力も備わっている。
この人間の頭脳がフル回転する前提条件は、「情報が自動で与えられている、少なくとも簡単に取りに行ける状況になっていること」である。沢山の情報の中から有益な関係のある情報を瞬時に読み取って自分の頭を使っていくのは出来るけれど、そもそもその情報にアクセス出来なければ、頭の使い様もない。
従って、「生産性の高い組織」とは、「必要な全ての情報が与えられ、自分の頭で考え、また発信できる組織」であると言える。
ここまで言ってもシステムを使い易い様に改善継続しても、当社でも日報をなかなか書かない、あまり読まない社員もいるにはいるのだが、それは限られた情報で頭を中途半端に使い、また発信しないことで他の社員の頭脳を活用できず、自分一人分(以下)の仕事しか出来ていないことになる。だから(肉体的に)多少頑張っていても、組織としては「半人前」の貢献しか出来ていないとも言える。組織は全体で一つの「脳」を持つ。一つ一つの脳細胞(=社員)が発信・受信しなければ、脳の本体から外れた「かさぶた」みたいな細胞になってしまう。
理想は、組織の全てのメンバーの活動日報をお互いに、読み合い、議論し合うことだ。「時間がない」というのはそれが出来ない理由の様だが、他のメンバーが行った活動報告(結構詳細)を、1秒で良いから「チラ見」することで、有益な情報は自分のアンテナには引っ掛かってくるし、また自分もその様に発信しなければならない。
情報共有と組織の生産性、これは不可分一体のものだと思うのだけど、本当にそうなのだから徹底していきたいと思います。

コミュニケーションの問題

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最近思うのは、世の中の多くの問題は、コミュニケーションの課題が大きいということだ。
良いことを思いついても、それを他人に説得しなければ実現はしない。全部自分でやることは出来ないから、実際に手足を動かしてもらう人、知恵を出してもらう人が実際に納得し、自らの行動として具体化して貰わなければならない。そのためには、こちらがよほどきちんと説明して「腹落ち」させなければならない(しかも時折催促しなければならない)。
人間というのは驚くほど「自分本位」で、自分の置かれた立場や能力、考え方によって、同じことを言われても受け止め方、その後の具体的行動はかなり異なる。しかも悪いことに、「礼儀」として分かってないことでも分からないとも言わないし、他人の懐に手を突っ込んで聞いていく、質問することも通常は行わない。行儀は良いのだが、話も全然伝わらないのが、現代社会、現代の組織である。
僕は中高生の水球チームをよく見ているが、お互いに声を掛け合わない、掛けたとしても「もっと泳げ」とか「パスが悪い」とか、抽象的な言い合いだけである。チームとして何を目指すのか、このプレーはどこが悪かったのか、良かったのか、お互い議論したり言い合わないから、チームという組織であるのに、結局自分の頭の中だけ、自分のイメージだけで小さくまとまってしまっている。
顧客に対しても、親切のつもりで「厳密には必要ないとも言えますが、、、」と言うより、「原則的には必要です、あった方が絶対良いです」という方が、それを採用したい人にはストレートに伝わる(当たり前ですね)。何のリスクヘッジか知らないけど、わざと「逆」の視点や解釈、言い訳を加えると、意図とは違って相手はそのまま「逆」の意味で捉えてしまう(やる気、採用する気を削いでしまう)。あった方が良いですよねと聞いてくる顧客に、「厳密には必要ない、なくても大丈夫です」と言うことないだろうにと思う(当社ではよくある。本来は「はい」だけでいいのに)。
組織でも同じで、分かっている様で、言葉にして誰にでも伝えらえるほどは分かっていない、分かってないのに質問しない、お互いを気遣って詰めた議論をしない、具体策に結びつかない、結果として組織として動きがバラバラで、チームとして強くならないことがよくある。強い会社とそうでない会社の違いは、上記の様な「本当のコミュニケーションが出来ているか」という点だと思う。
当社は比較的、それって本当はどういうことか?その対応で良いのか?結局どうするのか、どうなったのか?を個別具体的に議論するようにしていて、そのための独自の情報共有システムもフル活用しながらコミュニケーションを徹底する様にしている(日報をサボると働いているとは見做されない)。いちいち書かなくとも、常に情報を共有しているじゃないですか、メールでCCしたじゃないですか、言ったじゃないですかと言うのは通用しない。人は言われたくらいでは理解していないし、情報を共有したとも言えないのだ。何度も繰り返し言って、文章にもして、議論して、それを何度も蒸し返して、そして行動に移してもらって伝わっているかを確認するくらいのプロセスをサボってはいけない。
これらはつまりは「コミュニケーション」の問題、もっというと「説得の問題」である。こういうプロセスを真摯な態度でお互い遠慮せずに行っていこうと改めて思います。

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