社長ブログ

社長フィロソフィー日記

弁証法的思考法

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ビジネスには弁証法的な思考法が役に立つ。僕は一瞬にして解決策を考えるとたまに言われるけれど、それはこの種の思考法があるからだと思う。
弁証法とは教科書的に難しくいうと、「ある命題(テーゼ=正)と、それと矛盾する、もしくはそれを否定する反対の命題(アンチテーゼ=反対命題)、そして、それらを本質的に統合した命題(ジンテーゼ=合)の3つである。二つがアウフヘーベン(止揚)される。」ということらしい。「正・反・合、止揚」というキーワードは受験の時に習ったと思う。もっと簡単に言うと、
(1)ひとつの意見がある、
(2)その反対意見が出て、対立する、
(3)対立する意見を統合して、第三の、しかもより優れた意見になる、
ということだ。
大事なのは、意見と反対意見を集約して中庸的な意見になるのではなく、それらの矛盾する意見を高いレベルで統合して、かつ、1+1=2ではなくて1+1=3以上にするということである。

少しふざけた事例だが、
(1)お好み焼きが食べたい、
(2)焼きそばも捨て難い、
(3)そうだ、モダン焼きにしよう。しかもモダン焼きはお好み焼きとも焼きそばとも違う、ワンランク上の美味しさがある、
ということを昔、予備校の先生に教えてもらった(のを今でも覚えている)。
弁証法的思考方法をいつでも実践していると、自社の立場、顧客や他の相手の立場、社会ニーズなど異なった観点を同時に思い浮かべ、一つ上の次元で全てを統合する第三の解決策を考え出す。商品を販売する時はこちらはなるべく高く売りたい、相手はなるべく安く買いたいと思う。これでは単に利害が対立しているだけでどちらかが得すれば反対側は損をするという関係だ。
これを、顧客もそれを使えば全体のコストダウンが計れたり売上が増え、かつ社会ニーズにも合った製品やサービスを開発すれば、少々高くなっても顧客には導入メリットが出てくる。しかもゼロサムゲーム(損得の合計はゼロ)でなくて、当社も利益が増える、顧客も利益が増える。両者の利益合計がプラスになり、かつ社会にも役立つという事実が重要だ。
当社はあくまでアウフヘーベンを目指す。損得でなくて当社も顧客も社会も満足するような解決策を提案したい。まあモダン焼きが好きなだけかもしれないけれど。

プランB

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マラソンの話ついでに改めて思ったのだが、本来の計画や作戦(プランA)がうまくいかなかった場合のためのバックアップとして、2つ目の「プランB」を用意(心づもり)しておくことは重要だと思う。
先日の那覇マラソンで言うと僕の場合は、2キロ地点の国際通りで既に汗だく、沿道の応援の方が配る塩を探し始めた時点で、今日は無理せず完走を目的にかつハーフまで行ったら休もうとプランBに切り替えた。実際、5キロで結構しんどかったし、10キロでやっとか、ハーフにたどり着く前に歩きたくなった。2キロくらいごとに身体を冷やすためにカップの水を5、6杯頭からかけ、氷を貰って首筋や脇を冷やし、もちろん水分はこれまでの2、3倍摂取するようにした。
元々の目標の4時間から30分遅く走ろうと決めれば、実は結構いけるものである。ハーフ以降を1分半遅く走って21キロ*1分半=30分だから、当初の5分40秒を7分に落としても良いってことだ。つまり1キロの内、最初の500メートルさえ6分で走れば、残りの500メートルは8分で走ったり歩いたりして良いくらいの話である。
実際の体感で言うと、4時間目指して無理して30キロで力尽きた時のしんどさよりは楽な感じだった。確かにタイムは前者では4時間15分、プランBでは4時間30分少しだから差はある。しかし今回の様な28度を越える夏日では、4時間目指して無理してたら熱中症かなんかでダメージが相当残っただろうと思う(そうですね、武津くん)。一緒に参加した高校の後輩も、3時間30分目指してラップを無理して守って25キロ地点で座り込んでしまった人もいた。さすが体育会、弱音は吐かずに頑張ったんだろうけど、経営者は常にプランBを想定しておかないといけないと思います(というか前の日飲むな?)。
難しいのはプランAで頑張るべきかプランBに切り替えるかの判断だ。これを行うのはリーダーの一番重要な役割だと思う。個々人が勝手にプランBに切り替えたら組織として士気は上がらないし、かと言って一丸となって盲目的に勝ち目のない戦いに突っ込んでいくのも危険である。大切なのは引き際とプランB、しかしそれは先頭に立つリーダーの専権事項だとも思う。そしてリーダーがその判断を正しく行うためには、謙虚にして驕らず、かつ常に土俵の真ん中で相撲を取って、冷静で客観的、かつ私心なく考えよということかと思います。

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