社長ブログ

社長フィロソフィー日記

努力と仕組み

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物事をなすには、情熱だけでもダメで仕組みがないといけない。逆に仕組みだけあっても、それを情熱を持つ人間の努力がなければならないと思う。
僕の次男の話で恐縮だが、数年前のこと、彼は僕や長男が通った高校(A高校)を受験して、10人に1人しか落ちないのになんと落ちてしまった。やむなく近くの私立高校(B高校)へ進学したものの、そこは彼が中学時代から打ち込んだ水球部はおろか、プールすらもない高校であった。
受験失敗を遡ること数年前、僕の長男の時に高校の部活動に重ねる形で、地域の水球クラブを立ち上げていた。外部からヘッドコーチを招聘し、春季・秋季も使えるようにと温水化設備を整備し、近畿における水球のメッカとして高校の枠を超えた活動を行う仕組みを作っていた。たまたま次男がB高校に進学してしまったので、次男はこの仕組みを使ってまさに受験に失敗したA高校に、地域クラブの選手として練習に参加させてもらうことになった。
ここから次男の努力が始まる。水球はチームスポーツなので1人では出来ない。中学時代のクラブチームの後輩をB高校に勧誘し、3年生の時にはなんとかチームが組める人数が揃ってきた。すかさず僕がB高校に交渉し、水球部の創設を認めて貰った(校長先生、ありがとうございます)。そして4月に創部されたB高校水球部は、7月にはインターハイ、8月には国体の出場を決めるという快挙を成し遂げた。
このゼロイチの経験を元に、次男は大学受験の時に推薦入試に挑戦し、非常に難易度の高い入試に受かってしまった。そして1年生から大学の看板を背負って中心選手として活躍し、キャンパスライフも謳歌している。
後から考えると、もし彼がA高校に進学していたならば、水球でも(水球経験者のいない進学校なだけに)成果を残せず、受験でも準備が間に合わず、結局難関校には進学できてなかったように思う。人間全て塞翁が馬、高校受験に失敗したことが大学受験での成功に繋がったのだ。
ここで大事なのは、本人の努力と仕組み(地域クラブの枠組み)が合わさったことだ。親の僕が作った仕組みと本人の努力、これらが合わさって成果が出た。
会社経営も全く同じこと。社員の努力だけでも、ビジネスモデル、組織のあり方のどちらかが欠けてもダメ。仕組みと努力が重なって初めて成果が出る。個人的な(家族的な)エピソードだけど、多くの人に思わず語ってしまうほど、僕には非常に印象的な経験でした。

経営とは?(たぶん)

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僕は経営というものに関わって20年を過ぎることになるが、この間会社は8倍程度に成長し、ゆっくりだが安定的に成長し利益を出せる会社になってきた。成長段階としては1/3程度進んだところかなと思うので、これからの中盤でギヤを上げて、更に(自分のキャリアとしては)終盤となるステージに備えたいと思う。
これまでの経験で得た僕なりの経営のコツはシンプルなものだ。究極、以下の3点ではないかと思う。
会社は社員の物心両面の充実が第一の目標で、成果は社会の役に立つものでなければならない。経営者が金持ちになるために社員は頑張る訳ではないし、社会も経営者のためにある訳ではないことを明確にする。
全部のプロセスを自社で行わないこと。製造は製造業の専門会社、ソフトウェアはソフトウェア開発会社、在庫や出荷は運送会社などそれぞれの専門分野で協力してくれるパートナーがいる。商品開発にしても、顧客が協力してくれる。自社は、どの他社でもやれない、しかもサプライチェーンの中で一番大事で難しい部分だけを行うことに徹する。一番難しいところ、つまり一番リスクも大きいところを担うのだから、他社からも顧客からも頼りにされる存在になること。
そもそも競争しないこと。自社の強みを語っている時点で、それは競合の存在を前提とし、「良いものをより安く」の競争に陥っている。自社独自の立ち位置を確立し、自社独自の価値の提供の仕方を考えて、きちんと利益が出る価格設定が出来るポジショニング重要だ。
上記の「戦略」の上位概念として、フィロソフィを大切にするという大前提がある。利他の心で経営を行うというのがそれだが、当社の経営戦略はこの「利他の心の実践」に尽きるのではと思う。利他だけで経営をやってきた結果が当社の業績だ。これからも利他の心で頑張っていきたいと思います。

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