初心を忘れない
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惰性とは恐ろしいもので、長く同じ業態を続けていると、それがあたかも正しいこと、永遠に正しい事と思い込んでしまう。実はもう既に存在意義が失われていたり、もしくは事業の社会的意義を忘れて目の前の業務だけ、更には初心を忘れて自社の利益だけに盲進するようになってしまっている場合もあり得る。なんのために働くかと言えば、半分は生活のため、もう半分は社会に貢献したいからというのが普通の誠実な人の考えであって、できればそれが高い次元で両立していることが好ましい状態だし、経営者はそうなるようにビジネスモデルを考え、常に自社の社会的価値を意識して努力するべきだと思う。
立場が変われば意見がころっと変わる分かり易い例で言うと、満員のエレベーターがある。乗り込む時には、もう少し詰めてくれと思ってぐいぐい押し込むのに、一旦自分がエレベーターの中に乗り込むと、今度はもう乗らないでくれ、そんなに押さないでくれと思ってしまう。同じように最初は社会のため、顧客ためと思って事業を行っていても、売上が立って社員を増やし、事業の継続のためには稼がないとと意識し過ぎるとおかしくなってしまう。利益がないということは会社存続の十分条件がないということだから社会貢献も何もない、むしろ利益がないということは社会から評価されていないということだから、想いは純粋でも存在価値はないとも言える。
社会的価値がないと会社は存続できない、利益がなくても存続できない、当社はエレベーターに乗り込む前も後も皆で上階に行くにはどうすれば良いか、自社の存続のための利益と社会的価値を両立する仕組みを考える会社になりたいと思って、今年も努力していきたいと思います。