社長ブログ

社長フィロソフィー日記

スポーツの結果をどう捉えるか

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ウィンターオリンピックが開幕して、悲喜こもごもなドラマが繰り広げられている。審判の問題、もしくは風向きなどの自然現象、今日は羽生選手はリンクの穴に足を取られてしまった。
4年間、いや競技を始めた子供の時から厳しい練習を積んできた結果が、ほんの少しのアンラッキーで報われないものになる。その一方では(ラッキーな)勝者もいる訳だが、人間の一生を左右するイベントが少しの偶然に大きく影響される。
だからこそスポーツから得られる教訓は大きいとも言える。努力は必ずしも報われるか分からない。このことを劇的な形で本人、そして周りの人に教えるのがスポーツだ。しかし努力したその事実が、(大会では結果が出なかったとしても)その後の一生に必ず良い影響を与える。すぐに良い結果は出ないかも知れないが、10年20年のタームで見た時には、必ず良い結果が出る。
そして何より、結果が出なかったとしてもそれは自分の中の出来事であって、誰に対しても責任を感じなくても良いと言うことだ。これまで支えてくれた恩師、スポンサー、関係者、保護者、いろんな人々がその選手の周りにはいるけれど、それらの人は結果を求めて応援していた訳ではなく、その選手を活躍を(結果の如何に関わらず)支えようとしていただけだ。
オリンピックや大きな大会の結果は、選手はもちろん、誰も左右することは出来ない。結果を保証することも出来ない。そういう、不確かな未来に対して、選手本人、周りのサポーターの皆が夢見ながら努力すること自体に価値がある。
これは企業活動も同じ。結果が良いか悪いかは結果論。悪かったからといって誰かを責めることは良くない。そして結果が良かったら、それこそ手放しで褒め合う、喜び合うと言うのが正しい姿ではないかと思う。

経営者は毎日何をしているのか?

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TABIOの創業者で会長の越智さんが交通事故で亡くなったことをニュースで知った。以前は「ダン」という会社名で、僕は20年以上前に越智さんの経営セミナーを聴いたことがある。
当時の同社は、越智社長の地に足が付いたベタベタな経営で有名だった。最近でもインタビューで答えておられたけど、「自社の新製品は噛んで品質を確かめている」とか、ものづくりの権化みたいな人だった。一方で会社の生産管理はコンピューターを駆使した最先端のもので、社長のキャラクターと実際の最先端の管理手法のギャップが大変興味深かったことを覚えている。
経営セミナーは比較的少人数のものだったので、講演の後の質問タイムで質問をさせて頂いた。「越智社長の経営はモノづくりを究められている職人技の世界と仰られました。一方で、生産管理システムを駆使されていることも新聞などで知っています。越智さんは、経営者として毎日何をしているのか、教えて下さい」と聞いたのだ。
こういう質問をした意図は、僕としては「職人技、モノ作りの情熱、義理人情みたいなことばかり話されたが、実は精緻な生産管理などされている合理的な経営手法があるはずで、社長としては後者も冷静に結構やられているのでは?」という多少、斜めに構えたものであった。
で越智さんの答えがとても印象的だった。「わては毎日、靴下を作ってまんねん。」
「靴下を作っている。」これは結構衝撃的、かつ的を得た(得過ぎた?)答えだと思う。細かいことは色々あるけれど、経営者の目的、会社の目的を一言で言えるのは重要だ。靴下を作っている、これ以上に簡潔に事業の目的を表す言葉はないと思う。
さて当社は、一体何をしているのか、そして経営者の仕事とは何なのか。僕にはまだ一言で表せるほどの境地には達していない。でも近いうちに一言で言えるのようになりたいなとは思います。

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