社長ブログ

社長フィロソフィー日記

不測の事態に備える

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原発事故に関して当時の菅首相が非難されているけれど、個人の資質はともかく、誰がやっても同じ様な結果に終わったと思う。事故発生から数日、特に最初の24時間が勝負だったのだから、余程行動力と理解力、決断力があるスーパーマンでも100%の対応をあの場面で行うことは至難の業だ。その後、枝野官房長官(だったっけ?)が殆ど不眠不休で事態の経過説明などに当たるのだが、そうなった時点でもう「負け」である。
問題は「事前に」あらゆる事態を想定してのアクションプランをじっくり準備していなかったことに起因するのであって、そのタイミングは「建設当時」だから、菅首相の責任を追及するはずの自民党も偉そうなことは言えない(だから追及が甘くなる)。繰り返しになるが、あれだけの事態を短時間に総て正しく判断して対処することは不可能、だからこそ事前のプランが必要(事故が起こったら専門家が粛々とその通りにやる)ということだ。
これは何でもそうだ。「想定外」とされることが起こった時に、よく「ヒーロー」が話題になる。今回の自衛隊がそう、東京消防署レスキューチームがそうである。でも想定外の事態にヒーローを生んではいけない、事前に準備をして粛々と地味に解決するのが一番である。
会社経営もそう。想定外の事態をどの程度予測出来るか、準備出来るか。地震などの災害リスクは当然で、さて社員の安否を迅速に確認出来るか、翌日から他の場所で営業が開始出来るか、業務データは安全か、社員の健康リスクは、経営者リスクはどうか(これが一番心配?)、考え出すと切りがないけれど、いずれにせよ「起こってから」では遅いのである。
リスク管理の面でもやはり当社の、「少ない人数で、クラウドコンピューティングを駆使し、工場を持たず、皆でマラソンする」というのは結構良い線いってると思う(最後のはこじつけだけど)。とはいえ気を抜かず、リスクに対して敏感にいようと思う(そして30キロを越えての無理はいけない)。

日蝕

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今日は朝から日蝕鑑賞のため、7時位から窓に張り付きだった。幸い予想は外れて結構晴れていて、クリアな金冠日蝕を見ることが出来た。良かった、良かった。
日蝕と言えば、大袈裟に言えば人生の岐路となったかも知れない出来事を思い出す。忘れもしない、高校一年生(か二年生、忘れているじゃないか!)、水球部の合宿の最中だ。余りに厳しい練習にもう僕は限界を越えていて、ギブアップ寸前だった。確か100メートルダッシュかなんか連続で、水泳部出身でない僕は当然ついていけない。一本終われば休む間もなくもう一本というのが延々と続いていた。「もう本当に駄目」と心が折れかけていたまさにその時に、監督の先生が、「おーい、日蝕の時間だ、(何十年に一回のことだから)一分間休憩!」と叫んだのだ。
僕はその一分で息を吹き返した。後はどうなったのか分からないけれど、なんとか乗り切ったのだと思う。練習中に心が折れる、あとはヘロヘロになる、練習リタイヤ、落ちこぼれる、嫌になって退部という魔の連鎖を断ち切って、なんとか合宿を乗り切ることが出来た。高校の水球部で達成した体験はその後の人生(今も)に大きな影響を与えているから、あの時あのタイミングで日蝕がなかったら、今の人生も全く違ったもの(多分もっとしょうもないもの)に変わっていただろう。
今回の日蝕はそんなドラマチックなことも人生の危機もなく、家族で平和に鑑賞することが出来た。これを「進歩」と呼ぶのか、ぎりぎりのところを生きていないことの証明になるのかは分からないけれど。

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