TCO薬剤(白蟻駆除用薬剤)の基礎知識
防蟻薬剤の効果・安全性は、社団法人日本しろあり対策協会が一定の基準を設けて設定しています。
- 土壌処理剤
- 土壌処理剤には液剤が多く、面状または帯状散布で土壌表面に処理するための薬剤です。
薬剤指定の濃度に希釈し、標準使用薬液料は1m2につき3~5Lです。
- 木部処理剤
- 木部処理剤は木材に吹き付けまたは塗布処理により、防蟻および防腐の効果を持たせる薬剤です。薬剤には、油剤・乳剤タイプがあり、防腐効果のある薬剤が混合されているのが特徴です。 薬剤により原液または指定の濃度に希釈し、標準使用薬液料は1m2>につき300mlです。
シロアリ薬剤の主成分
薬剤の剤型
有効成分の種類
カーバメート系
神経系に作用し効果を発揮します。一般に熱や光、酸に対する安定性は高く、アルカリにより加水分解を受けやすい性質があります。
- カーバメート系殺虫剤の主な有効成分
- フェノブカルブ
ピレスロイド系
中枢・運動神経に作用し効果を発揮します。作用は即効性であるのが特徴です。
- ピレスロイド系殺虫剤の主な有効成分
- ペルメトリン・ビフェントリン・トラロメトリン
ピレスロイド様
ピレスロイド系に類似した作用を示し、比較的魚毒性が低いのが特徴です。
- ピレスロイド様殺虫剤の主な有効成分
- エトフェンプロックス
ネオニコチノイド系
タバコに含まれるニコチンに似た構造をもち、ニコチン性神経伝達物質の受容体に作用し、殺虫効果を発揮します。
- ネオニコチノイド系殺虫剤の主な有効成分
- クロチアニジン・イミダクロプリド・ジノテフラン・チアメトキサム
フェニルピラゾール系
神経伝達部に作用することにより効果を発揮します。低薬量で高い殺虫活性を示します。
- フェニルピラゾール系殺虫剤の主な有効成分
- フィプロニル
フェニルピロール系
呼吸阻害により効果を発揮します。比較的遅効性です。
- フェニルピロール系殺虫剤の主な有効成分
- クロルフェナピル
薬剤の剤型
油剤
有効成分を溶剤に溶かし、均質の液状とした製剤。希釈せずにそのまま使用します。
乳剤
有効成分を溶剤に溶かし、これに界面活性剤(乳化剤)をくわえて均質な液状とした製剤です。使用時は水で希釈した乳濁液を用います。
水和剤
有効成分に増量剤および補助剤を加え、均質に混合・粉砕した微細な粉末製剤。水で希釈し、懸濁させて用います。
フロアブル剤(FL剤・SC剤)
固体の有効成分を微粉末にし、界面活性剤などを加え、水に分散させた製剤です。水で希釈して使用します。
マイクロカプセル剤(MC剤)
有効成分を超微小なカプセルに入れ、シロアリの体内で潰されることにより有効成分を放出させる製剤です。水で希釈して使用します。
粉剤
有効成分に増量剤を加え、粉砕した粉末状の製剤(粒径:0.01~0.03mm)です。そのまま用います。
粒剤
有効成分に増量剤を加え、粉砕した製剤(粒径:0.7~1.0mm)。そのまま用います。
ベイト剤
遅効性の有効成分や昆虫成長制御剤を、餌(木材・紙など)または誘引物質に配合した製剤です。シロアリの巣の周辺や蟻道に配置し、コロニーの衰退・全滅を図ります。